残虐メトロイドヴァニア『Blasphemous』配信開始。呪われた世界で死と転生を繰り返す高難易度アクション
パブリッシャーTeam17 Digitalは9月10日、『Blasphemous』の配信を開始した。対応プラットフォームはPC(Steam)および海外Nintendo Switch/PS4/Xbox One。定価は2570円で、9月18日までは10%オフの2313円で購入可能だ。本作は、スペインのデベロッパーThe Game Kitchenが開発を手掛ける探索型アクションゲームだ。2017年5月にKickstarterにてプロジェクトを発足。翌月の6月には目標金額の5万ドルを大きく上回る33万ドルの資金調達に成功した期待作である。
『Blasphemous』は、緻密なドット絵と残虐な描写が特徴的なメトロイドヴァニアアクション。舞台となるのは邪悪な呪いに覆われた世界「Cvstodia」。悪夢のような歪さを帯びるこの世界は「静寂の悲劇」に見舞われた。木々は朽ち果て、住人は正気を失い、そして醜い姿をした異形の存在が世界のあらゆる場所でうごめいている。なぜこのような出来事が起きたのか。プレイヤーは悲劇から逃れた唯一の生き残り「悔い改める者」となり、世界を残酷な運命から救うため、死と転生の輪廻を繰り返しながら呪いの根源を突き止めるのだ。
本作で用意されるフィールドは複数のエリアで構成されており、探索を絡めつつゲームを進めていくこととなる。しかし探索は一筋縄ではいかない。道中では醜悪な姿をしたさまざまなクリーチャーがプレイヤーの行く手を阻む。手ごたえのある探索を謳う本作では、一撃で倒せないかつ攻撃力の高い敵が多く登場する。ゆえに、むやみに攻撃をおこなうだけでは反撃を受けることになるだろう。そこで必要になるのが、パリィの活用だ。敵から攻撃を受ける直前にタイミングよくパリィをおこなうと反撃することが可能。ダメージを受けるリスクとパリィをおこなったときのリターン、どちらを選ぶのか慎重な判断が求められる。
プレイヤーは通常攻撃やパリィのほかにもドッジ(回避)をおこなえる。ドッジは床をスライディングするような形で敵の足元や狭い通路をくぐり抜けることが可能。跳ねるタイプの敵や罠の回避に対して積極的に駆使していきたいところだ。さらに主人公は「Prayer」と呼ばれる魔法攻撃を発動することができる。床を伝う電撃を放つ攻撃など、魔法はあらゆる局面で役立つことだろう。ただし発動には「Fervor」というMPが必要となる。いざという時に使えない場合を考えると多用は禁物だ。ちなみにMPは敵を攻撃することや、自らの体力を削ることで回復することができる。
主人公が装備する剣「Mea Culpa」は、探索を進めていく中で強化することが可能。聖堂に訪れることで特殊な技のアンロックがおこなえる。チャージ攻撃やダッシュ攻撃など、豊富に技が用意されており、これらは戦闘において大きな支えとなるだろう。技のアンロックには「Tears Of Atonement」と呼ばれるポイントが必要となる。このポイントは敵を倒すことで入手でき、アイテム購入時にも使用可能だ。ただし死亡した場合は、その場に落ちる主人公の霊体を回収するまでFervorの最大値が低下する。うかつな探索は出来る限り避けたいところだ。
全体的に難易度が高めの本作だが、各エリアには「Prie Dieu」なるチェックポイントが設置されている。チェックポイントに訪れることで体力やアイテムの使用回数を回復することができるが、同時にクリーチャーもすべて復活するため注意。また死亡した場合は最後に訪れたPrie Dieuまで戻される。ほかにも「Rosary Beads」や「Relics」といった探索を補助するアイテムが登場。これらはマップ内で発見もしくはショップでの購入により入手可能だ。
ダークな世界観と苛酷な造形をしたドット絵が際立つ『Blasphemous』。敵は手ごわく、攻略は一筋縄ではいかないが、さまざまな技やアイテム、魔法攻撃、パリィなど、プレイヤーの採れる選択肢は豊富に用意されている。まさに死と転生を繰り返しながら進んでいく歯ごたえある作品だと言えるだろう。また探索面のみならず、残虐な世界に住まう謎に包まれたNPCたちや、おぞましさ極まる巨大なボスたちの登場にも注目の一作だ。なお、ローカライズの品質向上を図るため、日本語対応に関してはもうしばらくかかるようだ。アイテムテキストや会話シーンでの文章量が多い作品なだけに、日本語でプレイできる日が待ち遠しくも楽しみである。