『ポケモンGO』の迷惑行為による集団訴訟でNianticと原告が和解。住民の苦情には15日以内に対応など、多くのルールが設けられる
『ポケモンGO』をめぐる集団訴訟が和解に落ち着いたようだ。Daily Wireなどが報じている。『ポケモンGO』は現実世界と連動したARゲームであるが、そのゲーム構造上ポケモンを捕まえたりレイドをするために、他人の私有地に入ったりと他者に迷惑をかけるプレイヤーが後を絶たない。
アメリカではこうした『ポケモンGO』のプレイヤーによる被害者が、カリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所にて集団訴訟を起こしていた。今年2月より和解への協議に入っていたが、8月30日に正式に和解に至っている。和解条件は以下のとおり。アメリカ全土が対象となっている。
・寄せられた苦情に対し、年間95%以上のケースを15日以内に協議し解決
・苦情主の家の40メートル以内のポケストップとジムの停止を、5営業日以内におこなう。そうした苦情はWebサイトから申請できるようにしておく
・各苦情をデータベース化し1年間保持。一戸建ての所有地にポケストップやジムを置くことを避ける
・レイドにて10人以上が同じエリアにいる際には「現実世界の周囲への敬意を忘れずに」といったような指示的なメッセージを表示する
・統計上相当割合の新規ポケストップおよびジムを手動で審査。苦情が出ないよう配慮する
・ポケストップやジムに公園の営業時間を告知させることを許可
そのほか、Nianticが今後リリースするゲームにおいては、現在の『ポケモンGO』のような警告メッセージを用意するといった多くの指令が出されている。和解案については、今年2月時点で出されており、4月にその内容を協議し修正され、8月末に和解に至ったという形だ。以前の報道では原告に和解金が支払われるとされていたが、今回の和解判決においてはそのような記載はない。裁判費用については、Niantic 側が負担するとのこと。
『ポケモンGO』では、こうした苦情を受け取ってきたこともあり、ゲーム中にさまざまな警告文を表示させるようにしている。侵入エリア警告や“ながらプレイ”への注意。雨風が強い日などもプレイヤーへの警告が出るなど、配慮は万全に近い。一方で、レイド時などは道を塞ぐ事例が数多く確認されており、『ポケモンGO』プレイヤーを迷惑に感じたことがある人も多いだろう。未だに無自覚な迷惑行為が存在してしまっている。
プレイヤーが多いだけに、開発元から呼びかけなければモラルも落ちていきかねない。こうした米国の集団訴訟および和解をきっかけのひとつとして、より多くのお行儀のいい『ポケモンGO』トレーナーが増えていくことを願おう。