『ドラゴンクエストビルダーズ』シリーズ ディレクターの新納一哉氏が、スクウェア・エニックスを退社
『ドラゴンクエストビルダーズ』シリーズのディレクターを務めた新納一哉氏が、在籍していたスクウェア・エニックスを退社したことを発表した。氏がディレクションを担当した『ドラゴンクエストビルダーズ2』は、先日最終アップデートが実施された。同作の新規コンテンツ開発終了にあわせて退社をしたようだ。すでに進路についても決まっており、来週新納氏よりなんらかの発表がされるという。今後もゲーム開発に携わっていくとのこと。
ご報告。ビルダーズ2の開発終了をもちまして、スクウェア・エニックス社を退職いたしました。吉田さん、ふじのりさん、白石さん、同僚のみんな、そして、自分の作ったゲームを楽しんでくださった皆さん、本当にありがとうございました!まずはお礼まで。
— 新納一哉 (@Nino_Kazuya) August 23, 2019
すでにやることはもう決めておりまして、あらためて、来週あたりにお話させていただければと思っています。これからもゲーム開発をがんばっていこうと思っていますので、どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
— 新納一哉 (@Nino_Kazuya) August 23, 2019
新納氏は、これまでさまざまな会社に所属し、人気タイトルを手がけてきたクリエイター。有名なところといえば、アトラスにて『世界樹の迷宮』ディレクターを務めたことだろう。高評価医学アクション『超執刀カドゥケウス』をディレクションしたのち、新規タイトルとしてニンテンドーDSの2画面を生かしたダンジョンRPG『世界樹の迷宮』の開発を指揮。同作はヒットを収め『世界樹の迷宮』はアトラスの人気シリーズに仲間入りした。まだネットを通じた開発者とユーザーのコミュニケーションが現在ほど主流ではなかった時代、ポッドキャストをまじえて、熱くユーザーに考えや想いを発信していたことが印象に残っている人もいるだろう。
氏はアトラスを退社したのちにイメージエポックに移籍し、数多くのタイトルにディレクター/プロデューサーレベルで携わった。その後2012年にスクウェア・エニックスに活躍の場を移し、『ファイナルファンタジーXIV:新生エオルゼア』のアシスタントディレクターに着任。持ち前のMMO RPGのプレイ経験を生かして、吉田直樹氏のもとで開発に尽力していた。そして『ドラゴンクエストビルダーズ』シリーズにおいては、ディレクターを担当。サンドボックスからRPG、アドベンチャーゲームといったさまざまな要素を組み合わせた『ドラゴンクエストビルダーズ』シリーズの礎作りに貢献し、続編にて発展させている。
新納氏は『超執刀カドゥケウス』をはじめとし、数多くの高評価タイトルにコアレベルで関わっていることもあり、根強いファンが存在している。人気クリエイターのひとりと言えるだろう。そんな氏はスクウェア・エニックスの7年間を経て、新たに活躍の場を求めるようだ。なおTwitter上では『ドラゴンクエストビルダーズ2』のプロデューサーである藤本則義氏と白石琢磨氏と謝辞をかわしており、円満な退社であることを感じさせる。ゲームづくりにおけるスタッフ各々の活躍は消費者からは可視しづらいものであるが、『ドラゴンクエストビルダーズ』シリーズが支持されてきたことにおいて、中核スタッフである新納氏の貢献があった点は疑いないだろう。
RPGからアクション、サンドボックスゲームからMMOなど、さまざまなヒットゲーム開発に携わってきた新納氏の今後の活躍が期待される。