中世RPG『Mount & Blade II: Bannerlord』2020年3月早期アクセス配信へ。発表から7年の時を経てついに
トルコの開発スタジオTaleWorlds Entertainmentは8月19日、中世RPG『Mount & Blade II: Bannerlord』の早期アクセス配信をSteam向けに2020年3月に実施すると発表した。本作は2008年にPC向けにリリースされた『Mount & Blade』の続編。2012年には正式発表され、あわせてティザー映像も公開されたが、明確な発売時期や対応プラットフォームは明かされていなかった。そして今回、約7年の時を経て、改めて配信時期が明かされた形となる。
『Mount & Blade II: Bannerlord』は中世を舞台としたRPG『Mount & Blade』の続編。プレイヤーはカルラディアと呼ばれる広大な世界で、攻城兵器を用いて要塞を攻めたり、権力を求め熾烈な戦いに身を投じたり、さらには犯罪組織を設立したりと、自由に立ち回ることができる。前作と同じくクエストは用意されているが、主人公に明確な目的やバックストーリーは設定されていない。中世の世界をどう生きるかはプレイヤーの手に委ねられているのだ。
前作『Mount & Blade』では、軍隊の編成と管理が醍醐味のひとつとして機能していた。『Mount & Blade II: Bannerlord』でもその要素は引き継がれ、さらに2つの新システムも追加されるようだ。1つ目は影響力ポイント。これはゲーム内における一種の通貨として機能するようだ。野盗集団や敵パーティを討伐・襲撃することで獲得でき、集めた影響力ポイントは一部勢力との交渉の結果に影響を与えたり、味方領主へ命令する際に消費したりといった使い方が可能。さらにこのポイントは味方領主を呼び寄せて、独自の軍を編成することにも使用できる。
2つ目は資源の分配システム。このシステムによって領主が持ち運んだ資源は軍全体に行き渡る。たとえば1人の領主が馬を持参してくると軍全体に馬が分け与えられ、全体の移動スピードが向上するなどの効果を発動できるようだ。これらの新システムの導入により、国王としてのみならず、領主による独自の軍を築き上げて戦争に参入することも可能となるようだ。
戦場では武器の存在も重要となるだろう。白兵用の武器としてはダガーや剣、メイスなどが登場。近接武器には打撃、貫通、斬撃の3種類のダメージが存在するようだ。遠距離用の武器では投げナイフやジャベリン、クロスボウなどが登場する。そして領地を攻めるための攻城兵器としては門や壁を突き破る「破城槌」、バケツから大型の弾を発射する「マンゴネル」、中世ではおなじみ「バリスタ」などが用意されるそうだ。また前作から引き続き、馬も登場。本作では騎乗のみならず、鞍袋、ハーネス、防具などを馬に装備することが可能となる。装備によって馬の能力価も変化するため、目的やシチュエーションによって馬をカスタマイズすることが重要となりそうだ。
軍を率いた大規模な戦闘だけでなく、交易につながる生産事業も『Mount & Blade』シリーズの魅力のひとつ。前作と同じくプレイヤーはカルラディアに点在する町で開業をおこなうことができる。村で作られる原料を使い、加工品を生産して商人に売ることで安定した収益を得るのだ。前作からの変更点として、プレイヤーもAI操作の領主も1つの町に複数のビジネスを展開することが可能となるようだ。これにより、生産事業においてAIと競合関係になることもあるという。
ほかにも新騎乗ユニットであるラクダの追加や、処刑・説得システムの導入、新モード「スカーミッシュモード」を携えたマルチプレイなどが用意される。前作の魅力は引き継ぎつつ、新たな要素が盛り込まれ、より自由度の幅が広がった作品となりそうだ。またModによる拡張性の高さも前作の特徴のひとつであったため、『Mount & Blade II: Bannerlord』でもModに対応するのか気になるところである。
なお、本稿では紹介しきれなかった新要素の数々や、その詳細について気になる方はSteamコミュニティ上の開発ブログを参照されたい。