銃撃ソウルライクARPG『Remnant: From the Ashes』Steam配信開始。ランダム生成により周回プレイに刺激を加える異次元冒険譚
ゲームパブリッシャーのPerfect World Entertainmentは8月20日、三人称視点アクションRPG『Remnant: From the Ashes』を発売した。ソロプレイもしくは最大3人Co-opに対応。販売プラットフォームはSteam(4100円)、Arc(39.99ドル)、Xbox One(4650円)および海外PS4。日本語は非対応。開発を担当するのは、先日THQ Nordicによる買収が発表されたGunfire Games。『Darksiders III』『Darksiders II: Deathinitive Edition』で知られる米国のスタジオだ。
【UPDATE 2019/08/21 4:00】
販売プラットフォームの記載を訂正し、Xbox One版を記載。
『Remnant: From the Ashes』について開発陣は、『ダークソウル』のようなアクションRPGのコンセプトを、三人称視点シューターに当てはめた作品であると表現している(GameRevolution)。さらにマップやイベントのランダム生成を活用することで、周回プレイおよび他プレイヤーとのCo-opセッションごとに異なる体験が得られるよう工夫されている。シンプルな三人称視点シューティングを土台としつつ、ランダム生成によるリプレイ性、豊富なボス戦、武器とスキルの組み合わせによるビルド作成。この3点を特色としている。
本作の舞台となるのは、科学者たちの実験により異世界へのポータルが開かれたことで、Rootsと呼ばれるモンスターたちに襲われ、荒廃しきってしまった地球。そんな薄暗いポスト・アポカリプス世界では、瓦礫と化した都市にて、数少ない生存者たちがひっそりと生活している。主人公はRootsの脅威から地球を取り戻すべく、ポータルの力を借り、異次元へと旅に出る。生存者たちの避難所Ward 13をハブエリアとし、ポータルを通じて市街地・荒野・沼地・森林という4種類のバイオーム、およびそれらのマップと接続したダンジョンを探索するのだ。
アクション部分は、銃器もしくは近接武器による攻撃、回避、スキル、アイテム使用を軸としたシンプルなつくり。堅実な当たり判定やレスポンスの良い銃撃のおかげもあり、操作面でのストレスは少ない。マップには各エリアの入口にチェックポイントが設けられており、触れることで敵がリスポーンし、回復アイテムと弾薬が補充される。なお死亡時のペナルティはチェックポイントに戻されることだけで、通貨や経験値を失うことはない。
・周回ごとに異なる体験
本作は一周あたり12〜15時間相当のキャンペーンとなっているが、一度のプレイスルーだけでは全イベント、アイテム、シークレット、ボスなどを網羅できない。そこでクリア後もゲームを続行したいプレイヤーは、「キャンペーンのリロール」を適用することで、新しいキャンペーンを生成することになる(難易度も3段階から選択可能)。リロールすることで、マップ構造・イベント・ダンジョン・登場ボス・入手可能アイテムなどの新たな組み合わせが決まる。周回プレイ、もしくはオンラインCo-opにより他プレイヤーの世界を訪れるごとに、異なる体験が待っているのだ。キャンペーンの骨組みや物語そのものは同じで、マップのタイルセットにも限りがある。そのため全く新鮮な体験というわけにはいかないものの、リプレイ性を高める工夫として一定の機能を果たしている。
・豊富なボス種
現段階で20種類以上のボスが実装されており、それぞれ異なる攻撃パターンを有している。ほどんどのボス戦では大量のモブ敵が湧くようになっており、モブを処理しながら合間を縫ってボス個体を攻撃するパターンが基本となる。ボス単体としては対処しやすくても、突撃自爆系のモンスターが続けて襲ってきたり、遠距離攻撃を仕掛けてくるモブ敵に囲まれたりと、対複数との戦闘に慣れることが求められる。
もちろん、ソロプレイで詰まってしまった場合はオンラインCo-opで助けを求められる。ただし敵の数や強さは参加プレイヤー数に応じて変動するため、Co-opの方が必ずしも簡単というわけではない。味方がダウン/死亡すると、むしろ難易度が上昇する。なおフレンドリーファイアが適用されるのは銃器による攻撃のみ(ダメージ量は本来の25%)。近接武器は味方にダメージを与えない。
・武器とModの組み合わせ
一度に装備できる武器は、プライマリーウェポン、サイドウェポン、近接武器の3種類。近距離戦向けのショットガンから長距離戦向けのライフルまで、シューターとしての基本武器種はひと通り揃っている。また銃器には武器Modを装着することができる。武器Modは本作におけるスキル/アビリティとして機能しており、敵にダメージを与えることでスキルゲージが溜まっていく。そしてスキルゲージを消費することで、属性攻撃、範囲回復フィールドの展開、モンスターやタレットの召喚など、武器Modに応じたスキルを発動できる。ボスを撃破することで手に入るボス武器には、触手を召喚するTentacle Shotといったユニークな固有武器Modが装着されており、周回プレイによりボス狩りを続けるひとつのインセンティブにもなっている。
防具もさまざまな用途に合ったものが用意されており、それぞれ固有のセット防具ボーナスが得られるほか、総重量が移動・回避・スタミナ消費に影響をおよぼす。商人から購入したり、シークレットを解くことで新しい防具セットをアンロックしたりと、入念な探索が報われるような仕組みになっている。武器と防具は、戦闘・探索を通じて入手した強化素材を使うことでアップグレード可能だ。
成長要素は装備品の強化だけではない。キャラクターのレベルに値する「Traits Rank」を上げることで、各種特性にポイントを割り振れるようになる。体力やスタミナ上限を引き上げるものから、リロード速度やスタミナ回復速度を高めるものまで、合計30種類以上の特性が存在し、徐々にキャラクターを強化していける。時間を要するが、その気になれば全特性を最大限(各特性最大20ポイント)にまで上げることも可能だ。
本作は、開発陣のデザインチョイスを理解した上で遊ぶかどうかで、満足度が変わるゲームと思われる。マップが一部ランダム化されているということは、細部まで作り込まれたレベルデザインは望めないということ。似たようなタイルセットが繰り返され、敵配置も洗練されているわけではない。そのかわり、冒険を始めるたびに新しいサプライズが待っている。以前とは違うイベントの発生や、思わぬ敵の組み合わせに面食らうこともある。そこにプレイヤーの好みがカチッとハマれば、長く遊べるゲームとなるだろう。
なお現在はゲーム内チャットやエモートがないためCo-op時の意思疎通が難しいが、ユーザーからのリクエストが多い機能のひとつということで、将来的に何かしらの対応をするとのこと。今後のコンテンツ追加計画としては、DLCの販売が予定されている。