Blizzard Entertainmentは8月13日、『オーバーウォッチ』の最新アップデートを配信した。タンクヒーローとして7月に正式発表された「シグマ」を本実装するとともに、PCテストサーバー(PTR)で検証が進められていた「ロールキュー」を本番サーバーにて導入するアップデートだ。以下はシグマの能力を披露する新トレイラーである。
31体目のヒーローとなるシグマ(本名:シーブレン・デ・カイパー)は、重力を操るアビリティによりチームに貢献する天体物理学者。重力を制御する方法を突き止めることをライフワークとしている。しかしながら、とある宇宙軌道上実験中に形成された簡易ブラックホールに触れたことで精神に深いダメージを負ってしまう。その後は被験体シグマとして政府の極秘施設で隔離されていたが、彼の才能と研究を利用するためタロンがシグマの身柄を確保。タロンの目論みには気づかないまま、シグマは重力を操る力を徐々にコントロールし、今なお成長を続けている。
彼のアビリティは以下のとおり(公式サイトより)。浮遊バリアや敵攻撃のシールド化による防御と、チームメイトとの連携により真価を発揮するアルティメットアビリティが特徴である。壁にあたるとはね返るハイパースフィアにより、敵のバリアを迂回して攻撃できる点も、チーム構成によっては効果的な攻撃手段になると思われる。一方で移動系のアビリティがなく機動力は低めとなっている。
ハイパースフィア
壁ではね返る2つの重力チャージを放ち、時間差で爆発させて広範囲の敵にダメージを与える。
エクスペリメンタル・バリア
浮遊するバリアを任意の地点まで前進させる。バリアはいつでも解除可能。
キネティック・グラスプ
飛んできた物体を空中で停止させ、シールドとして利用する。
アクリーション
大量の岩石を引き寄せ、敵に向かって投げつけてノックダウンさせる。
グラビティ・フラックス
フルパワーを解放して自ら空を飛び、範囲内の敵を空高くへと浮遊させてから、地面に叩きつける。
続いて、同アップデートにてロールキュー制度がテスト導入された。ロールキューは、各自がロールを決めてからマッチングを開始し、必ず2ダメージ・2タンク・2サポート構成でチームが組まれ、マッチ中は最初に決めたロール以外のヒーローには変更できないという仕組みである。従来のマッチメイクでは、ロールの押しつけ合いであったり、マッチ中に誰がカウンターピックに切り替えるのかの言い争いに発展することが多く、自分が操作したいロールで遊べないケースもあった。そうしたストレスを取り除くことがひとつの狙いとなっている。まずは9月上旬まで「ロールキューベータシーズン」として試運転され、そのあと本格的に実装される予定だ。
また今回のアップデートでは、各種ヒーローのバランス調整も適用されている(パッチノート)。ヒーロー全般の調整としては、アルティメットのコストが12%上昇(D.Vaのメック破壊時のアルティメットコストは従来どおり)。各種移動速度低下効果はスタックせず、より遅くなる方の効果が反映されるようになった。そのほか、シンメトラのフォトンプロジェクターのようにターゲットのオン/オフが急速に切り替わるアビリティについて、本来よりもダメージ量が減ってしまっていた不具合が修正された。これにより、シチュエーションによっては一部ヒーローの攻撃力が大きく上昇すると見込まれている。
ヒーロー個別の変更として、もっとも大きく調整されたのはブリギッテ。ロールキューの導入により2-2-2構成に固定されることを踏まえての変更となる。変更点は以下のとおり。
リペア・パック
・チャージ数3個に変更
・回復量が150から120に減少
・即時回復ではなく、2秒間かけて回復
・同じヒーローが2個以上のリペア・パックを使用した場合、回復効果が2秒延長
ウィップ・ショット
・フレイルを投げる際の速度が60から80に変更
・手元に戻ってくるまでの時間が0.6秒から0.3秒に短縮
バリア・シールド
・バリアの耐久値が500から200に減少
シールド・バッシュ
・スタン時間が0.9秒から0.75秒に短縮
ラリー
・アルティメットのコストが10%増加
インスパイア(パッシブ)
・回復量が100から130に上昇
・自己回復は半減
続いてシンメトラのテレポーターは、破壊されるまで設置し続けられるようになったほか、設置距離が最大25メートルから30メートルに延長。これによりシンメトラの使いどころが増えることだろう。そのほかには、アッシュのリロード時間微短縮、ハンゾーの嵐ノ矢弾数減(6→5)、オリーサのプロアクティブ・バリアのクールダウン調整(8秒→9秒)。ラインハルトのパッシブ効果追加(ノックバック効果30%軽減)、ソンブラの敵プレイヤーに対するハッキング持続時間減(6秒→5秒)およびEMPの発動時間変更(0.2秒→0.35秒)、レッキング・ボールのマインフィールドでばらまかれる地雷の射出速度上昇および発動時間短縮(0.25秒→0.1秒)などが適用された。