人気ゲーム『どうぶつの森』シリーズをテーマとした、奇妙な非公式のパロディ映像が一部で流行しているようだ。発信源となっているのは、Twitterユーザーchan氏。たぬきちやしずえさん、とたけけなどおなじみのキャラクターを用いた奇妙な映像が話題を呼んでいる。Polygonなどが詳細を報じている。
— chan (@chanbanhi) July 26, 2019
投稿されている動画には、いくつかのキャラクターやテーマがあるようだが、特に尖っているのが「マフィア化したたぬきち」である。たとえばひとつの動画では、サングラスをつけたたぬきちが「なに?頭(尺八の隠語)がない?」と語った後、憤慨し電話を叩きつけて破壊。足元にあるスケートボードを踏みつけるなど、怒りを示している。またある動画では、2階から飛び降りるなど、スタントアクション映画さながらのワンシーンも。そのほかの動画でも、「無能ども、もうお前らにチャンスはやらん」と話すなど、なかなかあくどく描写されている。たぬきちといえば、プレイヤーに家を提供しながら借金を押し付ける一種の“ワル”として定着しており、そのキャラクターを大げさにパロディしているといえる。
— chan (@chanbanhi) June 7, 2019
またしずえさんをダークに描くような動画も投稿されている。しずえさんの双子のケントがしずえの誕生日プレゼントを渡したのち、しずえさんが「誕生日に誕生日プレゼントを持って誕生日パーティーにきて誕生日に誕生日プレゼントを渡すのか?」と皮肉を言ってガラスのコップを顔面に浴びせるといった海外ドラマ「Loiter Squad」発のパロディも。そのほか、TikTokにて流行している「Here is mother fucking tea(お茶のteaとゴシップのteaをかけている)」というネタをしずえさんに演じさせるなど、たぬきちと同様にワルに描いている。たぬきちとは違い、しずえさんについてのネタは原作の無垢なキャラを逆手にとったのだろう。そのほか、シャツが他人と“被り”問答しているうちにベッドに転げいい雰囲気になるというパロディを、たぬきちとケントが演じている。
— chan (@chanbanhi) July 31, 2019
実はこれらの動画の多くには元ネタがあり、ほとんどがソーシャル動画投稿サイトVINEにて流行していたネタである。VINEにて人気を博したネットミームを『どうぶつの森』キャラを介してパロディしているわけだが、『どうぶつの森』キャラクターのもとのキャラ性とのシナジーもあり、元ネタとはまた異なるシュールさを生み出している。
chan氏が制作するビデオゲーム・パロディは『どうぶつの森』だけでなく、『スーパーマリオ64』や『マインクラフト』を用いて、現実とゲームの要素をまじえた映像を投稿している。『マインクラフト』についてはARゲーム『Minecraft Earth』が展開中。近年ARゲームが増えてきているだけに、こうした現実とゲーム世界を混ぜ込んだパロディ映像は、これまでよりも違和感なく見られるかもしれない。
— chan (@chanbanhi) June 11, 2019
なお作者であるchan氏は、Polygonの取材に対して、映像で出てくる3Dモデルやどうぶつ言葉はCINEMA 4Dなどでゲームから“ぶっこ抜いている”と公然に語っている。どのツイートについても数万RTがつくなど、映像の完成度についての評価は高いが、映像の制作手法については、やや賛否があるかもしれない。