『レッド・デッド・リデンプション』リメイクや『2』のDLCの噂は、完全なるでっち上げの偽情報だと判明

今月7月21日頃より、『レッド・デッド・リデンプション』がリメイクされるという情報や『レッド・デッド・リデンプション2』のDLCが発売されるという情報がインターネット上に流れ出した。しかしそれらはすべてフェイクだったようだ。

今月7月21日頃より、『レッド・デッド・リデンプション』がリメイクされるという情報や『レッド・デッド・リデンプション2』のDLCが発売されるという情報がインターネット上に流れ出した。発信元はReddit。Rockstar Gamesに環境アーティストの友人を持つと主張するユーザーthrowaway1113454氏が、r/GamingLeaksAndRumoursにてリークとしてさまざまな情報を投稿した。

氏はまず『レッド・デッド・リデンプション』のリメイクについて説明。同作のリメイクは単なるリマスターではなく、グラフィックやシステムも全面的に見直されるほか、Rob Wiethoff氏によるジョン・マーストンのボイスなども新たに収録し、前日譚となる『レッド・デッド・リデンプション2』とのつながりを強めるような大規模リメイクに仕上げられていると報告。Rockstar Gamesが開発サイクルを早める意向もあり、『レッド・デッド・リデンプション』の10周年記念となる2020年の発売が予定されており、内部の問題により2021年までずれこむだろうとコメントしていた。

『レッド・デッド・リデンプション2』のDLCについては、本編に引き続きアーサー・モーガンを主人公に据え「エイリアン」をテーマとしたものになると示唆。本編にUFOが現れるというイベントが用意されているほか、前作においては外伝として「アンデッド・ナイトメア」というパラレルワールドを舞台とした拡張コンテンツをリリースしており、“それらしい要素”が信憑性を補強していた。

ComicbookGamesRadarなど海外メディアは期待を寄せながらこの噂を報道していたが、発信した張本人よりこれらふたつの情報が根拠のないでっち上げであることが明かされている。throwaway1113454氏はまず、『レッド・デッド・リデンプション』のリメイクや『レッド・デッド・リデンプション2』のDLCは自分の知る限り存在しないと最初にふれ、なぜ噂話を流そうとしたのか、その理由を語り始めた。

理由としては単純で、ゲームについての噂を流す実験をしてみたかったそうだ。まず『レッド・デッド・オンライン』にそれほど期待が寄せられていないことを踏まえて、『レッド・デッド・リデンプション2』のエイリアン要素を引っ張ってくればそれらしくなるだろうと確信。そこからファンとして期待したい要素やありえそうなネタを考えて詳細を構築し、“偽リーク”が完成した。氏は投稿した当初は人々に無視されるだろうと予想していたが、投稿の数時間後にはRedditには大きな反響が寄せられた。

『レッド・デッド・リデンプション2』に登場するUFO Image Credit : millenium

そして前出のComicbookやGamesRadarが報じ情報は拡散され、YouTubeでは氏の情報をもとに、Fizhy氏などを筆頭にさまざまな配信者が動画を投稿していったた。いずれのメディアも情報は「噂」として扱っているものの、情報が広まったことは確か。こうした結果を踏まえて「信じられそう」な情報であれば人はどんなことでも信じるのだろうと結論。またマスメディアは影響力のあるツールだとし、最終的に7万人以上の人々が氏の書いた情報を読んだことに喜んだ。最後に情報が偽りのものであるとはっきりさせ、稿を締めている。『レッド・デッド・リデンプション』の一連の情報は根も葉もない噂で、単なる個人の想像で作り上げられたものであった。

インターネットやSNSの発達により、個人が情報を発信し多くの人々に伝えることが容易になりつつある時代。今回は文字情報のみのイージーなフェイクであったが、中にはわざわざ自身のモデリングスキルを使って嘘情報を流す奇特な人物も存在する。弊誌も含めて、“ネタ”により成り立っているメディアの歪な構造の問題上、刺激的な情報がどこからか放たれることは避けられない。メディア自身がリテラシーを上げていくことに加えて、いち個人もメディアとソース元を疑うリテラシーが、今後さらに求められていくだろう。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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