セクシー系ゲーム実況者Alinity氏が、「動物虐待」の疑いで厳しい批判を受ける。『Apex Legends』中に猫を放り投げるなど

Twitchなどでゲーム実況をおこなっているAlinity DivineことNatalia Mogollon氏は現在、厳しい批判を受けている。80万以上のTwitchフォロワーを抱えるこの人気実況者の女性は、とある猫への行動によって批判の的にある。

Twitchなどでゲーム実況をおこなっているAlinity DivineことNatalia Mogollon氏は現在、厳しい批判を受けている。80万以上のTwitchフォロワーを抱えるこの人気実況者の女性は、コロンビア出身でカナダ在住。華やかな外見を持ち、セクシーな衣服や下着を見せながら人々を魅了してきた。一方で『World of Warcraft』や『オーバーウォッチ』など比較的ハードコアなゲームをプレイしており、ゲーマーである一面も見せる。今年に入ってからは『Apex Legends』を遊び続けており、人気を伸ばしていた実況者である。セクシーでゲームの腕も立つ人気実況者に対し批判が寄せられるきっかけは、とある猫への行動にある。Dexertoなどが一連の詳細を報じている。

今月7月19日、Alinity 氏はいつものように『Apex Legends』をしていた。氏はいくつもの動物をペットして飼っており、その中でもMiloと呼ばれる茶色の猫がたびたび登場する。自身のチャンネルロゴなどにも登場するシンボルのひとつともいえる茶色の猫であるが、この猫をゲーム中(配信中)に放り投げたことが騒動の発端である(動画)。Miloが氏の足元で何かをしていたのか、単にゲームにおいて邪魔だったのか。理由は不明であるが、カメラ外の下にいる猫を持ち上げて、上に放り投げ、カメラの外に再び消えてしまった。その後も氏は『Apex Legends』をプレイし、そのままゲーム実況は続けられた。

 

いくら高所からの着地に慣れている猫とはいえ、投げてしまうというのは“大切にしている”とは表現できぬ行為。猫好きを自称しているならなおさらだ。この行為を映した動画が拡散され広まり、氏への疑問の声が出てきたのち、そのほかいくつかの疑惑の動画が掘り起こされ、批判が加速している。

疑惑の動画のひとつめは、アルコールに関連した動画だ。氏はウォッカとされるボトルを口にしアルコールを口に含んだのち、もう一匹いる白い猫とキス。白猫が氏の口元をなめた後、アルコールに苦しみ頭を振っているシーンも確認できる。猫はアルコールを分解する機能がないとされており、ほんの少量でも与えてはいけないと注意喚起されている(ねこちゃんホンポ)。くわえて、犬を蹴る動画も公開されている。犬に関しては、猫を追いかけておりそれを咎めるような意味合いがあったかと思われるが、日常的に虐待に近い行為をしているのではないかと疑問を持たれているわけだ。

 

Alinity氏は常々、動物たちを愛していると公言しており、健康などには特に気を払っているという。しかし、今回の“放り投げ”をきっかけに、動物虐待的であるとの見方が強まっており、この騒動を受けPeople for the Ethical Treatment of Animals(略称PETA 動物の倫理的扱いを求める人々の会)はAlinity氏のTwitchのBANを求め始めたほか、Change.orgでも氏のBANを求める署名運動がおこなわれており、2万2000人以上のユーザーが処分を求めて署名している。氏の住まうカナダの地元の動物保護団体Saskatoon SPCA(動物虐待防止協会)も、氏を調査しているという。またTwitchの開発ディレクターであるMarcus “djWHEAT” Graham氏は本件について、処分はモデレーションチームに委ねられるがゆえに、あくまで個人的な意見だとしながら、同じ猫好きとしては許せないとコメント。1か月のBANに加えて、チャリティを目的としたストリームを流すこと、さらには執行猶予のようなものを課すと憤りを見せている。

一連の騒動については、Alinity氏も釈明をおこなっている。人々が憤り心配する声は理解できると言及し謝罪。Milo(茶色の猫)については苛立つべきではなかったとし、イスの後ろに単に落としただけだとコメント。また非力なので投げるほど力はないとも釈明。ウォッカの件については、一年前の出来事だとしつつも、愚かなことをしたと謝罪している。また、動物が正しく扱われてないことを憤り、機関に報告するという行為は理解できるともコメント。一方で、氏の家の動物は愛され、暖かく居心地の良く過ごしており、当局が調査するならば喜んで協力すると、遠回しに虐待を強く否定している。

しかしながら、この釈明をもってしても批判は止むことはなかった。カナダの放送局であるCTVは本件を報じているほか、Twitchなどの著名人が行為を批判している影響で、氏への虐待へのイメージは強まっており、批判ムードはSNSに根付いている。Alinity氏も段々と苛立ちはじめ、「こんな感じ」という言葉を添えながらピエロの顔をパンチする動画を投稿したり、怖いので家に来ないでくださいという投稿をしたりと防衛モード。Saskatoon SPCAを家に招き入れ「問題ないと確認された」と身の潔白を訴えているが、未だTwitterの氏の投稿には手厳しい返信が寄せられている。

Alinity氏がここまで批判されている理由としては諸説あり、動物を正しく扱わなかったことはもちろんのこと、もともと女性実況者は批判されやすいこと、そしてさらに氏が“セクシー系”としてアピールし敵が多いこと。さらに動物を愛しているとたびたび公言しながらもその逆ともいえる行動をしたこと。謝罪自体に誠意がないという印象をもたれやすいことなどがあげられている。注目されているということは、それだけ過ちが目立ちやすく、さらには敵を作りやすいという一面がある。私生活をも公にして長時間の配信でお金を稼ぐゲーム実況は、ひとつひとつの行動が動画で残される。ストリーマーとして活動することや、その行動ひとつひとつのリスクを改めて強調する事件だといえるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=-CdvE1zxdPA

なおAlinity氏は今回の件を受けて、Twitchの視聴を購読者のみに限定した。事件があった7月19日以降、配信を休止している。いずれにせよ、いかなる時にもペットである動物とは誠実に向き合いたいところだ。

Ayuo Kawase
Ayuo Kawase

国内外全般ニュースを担当。コミュニティが好きです。コミュニティが生み出す文化はもっと好きです。AUTOMATON編集長(Editor-in-chief)

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