『マリオカートWii』最近になり、大規模なショートカットが立て続けに3つ発見される

 
Image Credit : mkwLuκe

『マリオカートWii』にて、大規模なショートカットが3つ立て続けに発見されたことをYouTuberであるFlamin’ Funky氏やNintendo Lifeなどが報じている。

もともとショートカットポイントが多い『マリオカートWii』。通常のショートカットの中には、ゲームのシステムなどの誤判定などをまじえたウルトラショートカットなるものが存在する。広く知られたものとしてはキノコキャニオンで岩場に突撃し崖に登り、ゴール手前に着地するショートカットが最たる例だろう。これまでに32コースのうち18コースにて確認されていたウルトラショートカットに、新たな3つのコースでの事例が登場した。いずれも、ゴールのメカニックを使ったもの。通常は逆走してスタート地点をくぐってもラップ判定は生まれないが、これらのショートカットによって、逆走しスタート地点に戻ってもラップ判定が生まれるというものだ。

ひとつめは『マリオカート64』で初登場したクッパキャッスルにおけるショートカット。スタートし、最初の橋を渡るところまで到達。左にハンドルを切りながらキノコで観測しスタート地点左の出っ張った壁に突撃、そこでスタート地点のポールを踏み出しにし、さらに加速しステージの終盤のマグマ地帯の壁すぐ手前で溶岩に沈没。ジュゲムに釣り上げられた後、隣にあるマグマの壁に突撃しながら落下する。そのままスタート地点に向かうことで、ラップ判定されタイム短縮が可能になるわけだ。このショートカットは、TAS(Tool-Assisted Speedrun)を使用した時のみ可能であるという。

ふたつめは『マリオカートアドバンス』で初登場するヘイボービーチ。ゴール前にヘイホーの乗った海賊船から爆弾が砲撃され、キノコで加速しながらそれを足場に大ジャンプし沈没。コース終盤に戻されるが、ラップはカウントされるという仕組み。所定の位置に爆弾が投下されるのがレーススタートから3分後ということで、3ラップのタイムアタックでは使用できないとのこと。1周目に使えそうにみえるが、ギリギリのタイミングで爆発してしまう。ただし、この手の規模のショートカットには珍しく、TASを使わず再現できるそうだ。

みっつめは『マリオカートWii』で初登場となるノコノコみさき。スタート地点から少し先の網の斜面のエリアから、逆走し大ジャンプ。外側のレールに食い込みながら、岩の内部に落ちることで、ジュゲムが引き上げた後スタート地点に行けばラップ判定が生まれる。斜面からの加速が必要で、レールの2ブロックに的確に突っ込まなければいけないこと、うまくコース取りをしてブロックレールにめりこみながら所定の位置で落ちなければいけないなど、なかなか難易度が高い。お察しのとおり、こちらもTASでのみ再現可能であるそうだ。

これらの大規模ショートカットは、Rapidfire Hopと呼ばれる加速テクニックが要求されるゆえに、人力では再現できないものも多い。またこれらの発見が世界最速タイムの更新につながるとは限らない。ただ、理論上で新たな可能性が生まれているという点は興味深くもある。ヘイボービーチのショートカットについては、早速タイムアタックで使える可能性がないか検討されているそうだ。

2008年発売ながら、2018-2019会計年度ではさらに10万本を売り上げるなど、ほかのシリーズ作品と同様に力強いセールスを誇る『マリオカートWii』。今回の3つの発見は、北米時間7月11日から12日の24時間以内に別々のユーザーから見つかったという、奇妙な重なりもある。今回の発見により32コース中21コースでウルトラショートカットが発見されていることになるが、Flamin’ Funky氏は今後さらにショートカットは見つかっていくだろうと期待を寄せている。