Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」製品ディレクターが“ゲーム版Netflix”ではないと明言。そのほかにもゲーマーからの質問に回答

Googleクラウドゲームサービス「Stadia」の製品ディレクターを務めるAndrey Doronichev氏は7月19日、RedditにてAMA(Ask Me Anything・何でも聞いていいよ)企画を実施し、コミュニティからの質問に回答した。

Googleが今年11月に海外でサービスを開始するクラウドゲームサービス「Stadia」。その製品ディレクターを務めるAndrey Doronichev氏は7月19日、RedditにてAMA(Ask Me Anything・何でも聞いていいよ)企画を実施し、コミュニティからの質問に回答した。

Doronichev氏はまず、月額9.99ドル(約1000円)の「Stadia Pro」サブスクリプションプランについて、どういった位置付けなのかただす質問に対し回答。Stadia Proは、多くの場で言及されているようなゲーム版Netflixではなく、むしろXbox Live GoldやPlayStation Plusに近いとコメントした。加入することで4K/HDR/5.1chサラウンドでのストリーミングプレイが可能になり、またいくつかの無料ゲームにアクセスできるほか、ゲームの購入時には割引が適用される。なお、無料ゲームのライブラリには1か月に1本程度追加されていくとのこと。最初のタイトルは『Destiny 2: The Collection』に決定している。

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ゲーム版Netflixではないというのは、加入すればすべてのゲームが遊び放題というわけではないことを明確にした形である。そして、ローンチ時に無料でプレイできるのは『Destiny 2: The Collection』のみのようだ。Stadia向けには現時点で30タイトルが提供予定とされており、同作を除く29タイトルをプレイするには、(割引にて)購入する必要がある。ちなみに、購入したゲームの家族内共有機能については、2020年の早い時期に実装するとしている。

提供するゲームには、基本プレイ無料ゲームについても計画しているという。また、ローンチ時点ではサポートしないものの、メーカーとはModへの対応について協議を続けているそうだ。クロスプレイ・クロスプログレッションについても、大きな優先項目としてメーカーと協議しているという。

いわゆる実績システムについて、Stadiaもほかのプラットフォームに似た機能を用意する計画だという。ただし、ローンチ時点では実装されないそうだ。一方で、フレンドリストやパーティ作成、ボイスチャットといった機能は利用可能。そうしたソーシャル機能は、ローンチ後にも拡張させていくという。なお、StadiaがどのようなUIを持つのかについては、ローンチ時期の11月まで明かさないとのこと。

Stadia Controllerは、BLE(Bluetooth Low Energy)を利用してセットアップをおこなうが、少なくともローンチ時点ではBluetoothイヤホンへの音声出力には対応しないとのこと

Stadia向けには、専用のStadia Controllerが販売されるが、標準的なUSB HIDコントローラーであれば他社製品でも利用可能。DUALSHOCK 4やXbox Oneコントローラーも使える。またステアリングコントローラーや、身体にハンディキャップがあるゲーマー向けにマイクロソフトが製作したXbox Adaptive Controllerも使用可能とのこと。

Stadiaのゲームの購入や管理にはモバイル向けの「Stadiaアプリ」を利用する形となる。このアプリでは、ユーザーのStadiaでのデータ使用量も確認できるようになるという。ユーザのインターネットの加入プランによっては、Stadiaでの通信が大きな負担になる可能性がある。Googleとしては、ゲームストリーミングサービスの普及に、ISP側が対応していくことを期待しているそうだが、当面はユーザー側での管理を求めることとなりそうだ。

モニタの解像度については一般的なものからサポートしていく計画で、ローンチ後にはウルトラワイドモニタなどにも対応していくことが示唆された。

もしStadiaのサービスが終了した場合の、購入したゲームの扱いについての質問もあった。これについてDoronichev氏は、クラウドへの移行に怖さを感じることは理解できるとした上で、現時点で言えることはないとした。ただし、プレイしたゲームのセーブファイルなどはローカルにダウンロードできるとのこと。そして、GoogleはStadiaを成功させるため、GmailやGoogleドキュメントなどのクラウドサービスと同様に、多大な投資を続けていくとしている。

Doronichev氏は、11月のローンチは始まりに過ぎず、新たな機能や改善を続けていくとし、そうしたロードマップをすでに用意しているという。Stadiaの最新情報は、Web番組「Stadia Connect」を通じて提供される予定で、次回配信について同氏は、皆が思っているよりも早い時期におこなうとコメントした。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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