『Apex Legends』チーター同士でのマッチメイクを検討中。チート検知&自動BANのための機械学習モデル構築も

『Apex Legends』にてチーターやスパマー同士でマッチングさせる試みが検討されている。そのほか『Apex Legends』におけるチート対策としては、チート検知&自動BANのための機械学習モデル構築や、一部地域におけるリスクの高いアカウントに対する2段階認証の強制などが挙げられている。

Respawn Entertainment(以下、Respawn)は7月12日、『Apex Legends』で発生している不具合やチートの対策状況をreddit上で報告した。同作においては、ローンチ当初からチート行為の横行が問題視され、対策が続けられてきた。5月時点では、アカウント停止プレイヤー数が77万人に到達し、チーター/スパマーによる干渉を受けたPC版マッチ数が半分以下にまで減ったと伝えられている(公式ブログ)。だがシーズン2が7月2日に開幕してからは、ランクリーグにおけるチーターの参加が顕著に。プレイヤー間の議論が再熱し始めたことを受けて、開発陣が進めている取り組みがいくつか紹介された。その中には、チーター/スパマー同士でマッチメイクするという、興味深い対策内容も含まれている。

・チーターを検知し、自動BANするための機械学習モデル構築
・一部地域における、リスクの高いアカウントに対する2段階認証の強制
・スパム用アカウントを、使用前の段階で検知してBANする仕組みの改良
・新しいチートツールへの適応
・チートおよびスパム行為を検知したアカウント同士でのマッチメイク
・プレイヤーのパーティー形成過程の調査。プレイヤー本人がチートしていなくとも、チーターとパーティーを組みにいった場合はチーターとみなされる
・人員や技術といったリソースの強化

『Apex Legends』に限らず、オンラインゲームにおいてチート行為が完全に撲滅されることは考えにくく、継続的な取り組みと成らざるを得ない。根本的な対策は開発元に委ねられるが、プレイヤーとの協力体制により促進される部分もある。RespawnのコミュニティーマネージャーであるJay Frechette氏は、今回のreddit投稿にて「ここ1週間、レポートを送信してくれたり、不審な行為の調査を手助けしてくれたりと、チーター対策に協力してくれたプレイヤーたちに感謝しています」とのコメントを残している。

アンチチートミドルウェアのEasy Anti-Cheatを導入している『Apex Legends』。同作ではチートだけでなく、主に経験値稼ぎを目的とした放置・寄生プレイをBAN対象にするとも発表されている。またチートや迷惑行為を対象としたBANだけでなく、ボイスチャットを使った宣伝業者対策として、キャラクター選択画面にミュート機能を実装したりと、一般プレイヤーが快適に遊べるよう、地道な対策が続けられている。

チート・迷惑行為対策の内容共有や経過報告は、『Apex Legends』に限らずオンラインゲーム運営元の多くが行なっている。『オーバーウォッチ』においては先日、チートを検知した際に対象者をBANするだけでなく、試合を自動的に終了させる仕組みが公開テストサーバー上に実装された。『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』運営元は、チート対策専門チームによる取り組み内容を以下の動画として紹介。『フォートナイト』運営元のEpic Gamesに至っては昨年、先述したEasy Anti-Cheatの販売会社ごと買収している。ゲームの人気が高ければ、それだけチーターおよびチートツール販売者のターゲットとなりやすい。チート対策状況の発信は、プレイヤーの信頼を得るためのコミュニケーションとして避けられないトピックである。

なお『Apex Legends』では、Twitch Prime会員限定の特典としてバンガロールの「Dino Dynamo」、ワットソンの「Sweet Dreams」、L-スターの「Stellar Stallion」スキンが入手可能。シーズン2が開幕してから高頻度で発生している「code:leaf」「code:net」エラーについては、調査・対策を進めている段階とのことだ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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