『オーバーウォッチ』PTRサーバーにて、チートを検出すると“試合が自動でシャットダウンする仕様”が本格導入される
Blizzard Entertainment1が販売しているチームFPS『オーバーウォッチ』の公式YouTubeチャンネルにて、7月のアップデートに関する開発者アップデートが投稿された。開発者アップデートでは、『オーバーウォッチ』ディレクターのJeff Kaplan氏が、チーター対策としてPTRサーバーでチートを検出した場合、試合を強制終了させる仕様を導入していたことを発表した。また、サマーゲームと31人目ヒーローの配信スケジュールについてコミュニティへ説明を行っている。
導入されたアンチチートシステムは、試合中にチートの使用を検出すると試合が強制的にシャットダウンするというもの。チーターはBANされ、チーター以外のプレイヤーは試合が途中で終了した場合でも、スキルレートにペナルティを受けることはない。
今回の開発者アップデートの日本語版の動画でJeff氏は、「チートを検出すると自動的にマッチがシャットダウンされます。マッチがシャットダウンされても、どちらのチームにもペナルティはありません。つまりライバル・プレイで相手や味方チームにチートプレイヤーがいても、SRを失うことはありません。」と説明している。
今回のチート検出システムはしばらく前からPTRサーバーに登場していたようで、実際に試合がシャットダウンされた画像がRedditで確認されている。「システムがチートを確認し、その結果プレイヤーがBANされました。あなたの直前の試合はキャンセルされ、勝敗はどちらのチームも記録されません。」という説明がある。
新たなアンチチートシステムのまとめとしてJeff氏は「今後もチートプレイヤーには厳しく対処していきます。これはチート検出の進化の始まりです。」とし、引き続き『オーバーウォッチ』のチート対策を進めるとともに、今回実装したアンチチートシステムに自信を見せている。
続いてJeff氏は、サマーゲームのスケジュールと新ヒーローの配信スケジュールについても説明した。サマーゲームは例年よりも早い時期に開催する予定だそうだ。『オーバーウォッチ』のサマーゲームは、期間限定のゲームモードやエピックスキンが配信される期間限定イベント。例年、8月の上旬に開催されているため、7月中に配信されるということだろう。一方で31人目のヒーローの配信は、いつもより遅くなるそうだ。夏の新ヒーローは、これまで6月末から7月上旬に発表され、7月下旬に実装されてきた。新ヒーローの詳細な情報は何も出ていないが、動画内でJeff氏は新ヒーローを「he」と呼んでいるため男性のヒーローかもしれない。
PC版『オーバーウォッチ』では、チーターに対して相手と味方チームで協力して試合を引き分けにするというケースもたびたび報告されている。下の動画は、過去にプロゲーマーのSinatraa氏、Calvin氏、Iremix氏、Fate氏、Nevix氏が、敵味方に関わらず協力して試合を引き分けにした様子。目標のキャプチャーを両チームで止めることで、お互いにスキルレートへのペナルティを受けずに、チーターがいる試合を放棄している。この動画でチートを使用していたHalfdead氏は、4試合ほど彼らと連続でマッチングしていたそうだ。Halfdead氏は北米サーバーでトップ500だったのだが、この後アカウントをBANされてしまったようだ。
今回PTRサーバーに実装されたアンチチートシステムは、プレイヤーがフェアな試合を行うために仕方無くとってきた対策を、ゲームのシステムとして実装したといえるだろう。Jeff氏によると、開発者アップデートの情報をまだ出す予定があるそうなので、今後アンチチートシステムのさらなる詳細や、ライブサーバーへの配信日が明らかになるかもしれない。
「Play Nice; Play Fair. 」を掲げる『オーバーウォッチ』では、チーターを罰するだけでなく、罰すること以外でも正当なプレイヤーのゲームプレイを守る取り組みを進めている。今回のチート対策や「WorkShop」でユーザーによる作成型コンテンツをゲームに取り入れるなど、大胆なアップデートを行う『オーバーウォッチ』の動向を見守っていきたい。