あと21日で終わる街で暮らす『A Place for the Unwilling』ついに7月25日にSteamで発売へ。分岐だらけのオープンワールドADV

 

スペインのインディースタジオAlpixel Gamesは7月10日、『A Place for the Unwilling』を7月25日に配信すると発表した。プラットフォームはPC/Mac(Steam)。開発から4年、弊誌でのインタビューから3年。長きに渡り開発が続けられてきたが、ついに今月にリリースされることになる。キャッチコピーは“お腹のすかした街は、私達を食らい尽くす。気をつけて夢を見ろ。”

『A Place for the Unwilling』は、霧に包まれた“死にゆく街”を舞台としたオープンワールドアドベンチャーゲームだ。舞台となる街は、どういうわけか末期状態にあるという。残された時間は21日。そんな異常事態を(おそらく)知らない住人として生活する。世界では常に時が流れており、プレイヤーは生きるために品物を売ってお金を稼いだり、ほかのキャラクターと交流したり、ベンチに腰掛けてくつろいだり、新聞を読んだりしながら、自由に1日を過ごす。

自由に過ごすことができるが、いずれの行動も街の状況や街の運命に関係してくるのが本作の特徴。些細な行動が新たな展開を引き起こしたり、もしくは起きなかったり。限りある時間の中で起こす行動によって、物語は大きく分岐していく。展開はかなり多く分岐していくことも強調されている。21日の間に、街の秘密を解き明かすことができるだろうか。イベントは100種類以上用意されており、小さな行動も最終的な結末に及ぼすとのこと。戦闘もミニマップもなく、“ストーリーがすべて”のゲームとして作られているという。

プレイアブルキャラクターも多彩なようで、ゲームプレイトレイラーでは貴婦人らしきエリザベスとして買い物してまわったり、社会活動家のアーサーとして聞き込みを進めたり、冒険家のマーガレットとして自由な一日を過ごしたりと、幅広いキャラクターでの暮らしが確認できる。街中の人々はそれぞれ階級付けられており、役割も異なるようだ。

『A Place for the Unwilling』は、『Sunless Sea』のナラティブや『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面』の設定を参考にしており、大きなスケールで開発されている。野心的なプロジェクトであるゆえか、ゲームエンジンの変更をしたり幾度もシステムをビルドアンドスクラップしたりと、紆余曲折を経て開発が続けられてきた。弊誌インタビューでは「町中に居る人々は最初”黒い影”で覆われており、プレイヤーが彼らの物語に関わることで初めて影が解かれ素性がわかる」というシステムが明かされていたが、これらはSteamストアや公式サイト説明では記述されておらず、現存するかは不明だ。

ただし、依然としてストーリー部分には自信を持っており、多くのライターが開発に参加しキャラクターの内面がしっかりと掘り下げられたという。手紙などを含め、膨大なテキスト量が存在するようだ。なおクトゥルフ神話のエッセンスも取り入れているとのこと。

ゲーム内の街と同様に、ゲーム自体もまだ謎に包まれているオープンワールドアドベンチャーゲーム『A Place for the Unwilling』。対応言語は英語およびスペイン語のみだが、今後対応言語を増やしていく予定があるそうだ。日本語には対応していないが、7月25日のSteamでの発売を楽しみにしておこう。