『Alan Wake』開発元Remedy、シリーズの販売権をマイクロソフトから獲得。移植や続編への期待高まる

デベロッパーRemedy Entertainmentは7月1日、販売中作品から得たロイヤリティ収入を投資家向けに報告する中で、『Alan Wake』シリーズの販売権を獲得したと発表した。

フィンランドに拠点を置くデベロッパーRemedy Entertainmentは7月1日、販売中作品から得たロイヤリティ収入を投資家向けに報告する中で、『Alan Wake』シリーズの販売権を獲得したと発表した。

『Alan Wake』は、ベストセラーサスペンス作家のアラン・ウェイクを主人公とするアクション・スリラーゲームだ。スランプに陥っていたアランは、休養のため小さな田舎町ブライトフォールズを訪れるも、妻アリスが行方不明になってしまう。捜索に向かったアランには、闇を体にまとう謎の敵が襲い、そして未執筆の自身の新作小説の存在が謎を深める。

本作は2010年にXbox 360向けに発売され、2012年にPC向けに移植。同年には、スピンオフ作品の『Alan Wake’s American Nightmare』も両プラットフォームにて発売されている。2017年には、使用楽曲の契約切れにより販売停止となったが、当時の販売元であったマイクロソフトが楽曲ライセンスの再交渉に臨み、再リリースを果たしている。

今回のマイクロソフトからの販売権獲得の意味についてRemedyは、さらなるプラットフォームにも発売したいとなれば、自分たちの判断だけでできるようになったと説明。ただし、現在は開発中の新作『Control』に集中しているため、『Alan Wake』シリーズについて発表できることは何もないとしている(Eurogamer)。ちなみに、海外では『Alan Wake』をもとにした実写TVドラマシリーズの制作が昨年発表されている(関連記事)。

*海外メディアPolygonが公開した『Alan Wake』シリーズ新作のプロトタイプ映像

高い評価を得た『Alan Wake』には多くのファンがおり、かねてより続編を望む声は絶えない。Remedyは『Alan Wake』のリリース後すぐに、続編となる作品のプロトタイプ制作に取り掛かっていたが、結果的にアイデアのいくつかが『Alan Wake’s American Nightmare』に活かされるにとどまり、続編は未だ実現していない。その背景には、異なる作品を求めたマイクロソフトの当時の意向があり、『Quantum Break』の開発にシフトしていったのだという(Polygon)。

『Alan Wake』はRemedyにとって特別な作品のようで、2017年時点にも続編に取り組んでいたそうだ。PAX East 2019を訪れた同社のThomas Puha氏は、単純にうまくいかなかったと当時を振り返るが、同時に『Alan Wake』のIPを自ら保有していない現実にも言及していた(VG247)。今回の販売権の買い戻しによりIPの権利も得たとなれば、続編への大きな障壁はなくなったと言えそうだ。ただ、同社は前述した『Control』のほかに、Smilegateと共同開発中の『Crossfire』や、「Vanguard」と呼ばれる新作にも着手しており、Puha氏は時間とお金とリソースの問題があると述べており、すぐに実現することはない模様である。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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