『Angry Birds』開発元が「Angry Birdz」を訴える。「angry fries」などを提供するチキンレストラン

『アングリーバード』の開発で知られるRovio Entertainmentが、カリフォルニアのレストラン「Angry Birdz Nashville Hot Chicken」に対して、『アングリーバード』の名前とロゴを盗用しているとして、損害賠償などを求める訴訟を起こした。

『アングリーバード』の開発で知られるRovio Entertainmentが、カリフォルニアのレストラン「Angry Birdz Nashville Hot Chicken」に対して、『アングリーバード』の名前とロゴを盗用しているとして、損害賠償などを求める訴訟を起こした。Gameindustry.bizが報じている。

『アングリーバード』シリーズはフィンランドのゲーム会社Rovio Entertainmentが開発するパズルアクションゲーム。2009年にiOS向けのゲームとして販売され、その後Android版、Mac版が販売された。シリーズ累計ダウンロード数は25億回を超えるとされている。2Dの画面上のスリングショットで鳥を打ち出し、豚など目標物をすべて倒すのが基本的なゲームの目的となる。数多くの続編やスピンオフ作品がリリースされたほか、2016年には映画化もされている。

Rovio Entertainmentは今年2月に、「Angry Birdz Nashville Hot Chicken」の名前とロゴの使用の停止を求める文書をレストランのオーナーのDavid MkhitaryanとMary Mkhitaryanに送ったが、返信がなかったため訴訟を起こしたようだ。Rovioは「Angry Birdz Nashville Hot Chicken」に『アングリーバード』の名前の使用の停止と損害賠償を求めているが、その額はわかっていない。知的財産権を専門とする弁護士のStephen McArthur氏はGameindustry.bizに対して、Rovioは裁判に勝つ可能性が高く、ゲームとレストランのロゴのフォントが類似していることが決め手になるだろうとコメントしている。

McArthur氏は「レストランがゲームと同じフォントを使用していることが問題になるだろう。」と説明し、「裁判ではフォントの類似が混同を招いているとされるだろう。またこれは意図的に混乱を起こしていることを示している。」としている。

「また、『アングリーバード』は縫いぐるみや弁当箱、映画などにライセンスを提供していることが、消費者を混乱させる機会を増やしている。『アングリーバード』の知名度と経済的な成功、およびライセンスの提供先の多さを考慮すれば、ロサンゼルスのレストランが『アングリーバード』のブランドのライセンスを持っていることは十分ありそうだ。」とも話している。

 
 
 
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ちなみにレストランの「Angry Birds Nashville Hot Chicken」カリフォルニア州ロサンゼルスにあるチキン料理店。名前の通りテネシー州ナッシュビル名物のホットチキンのレストランで、スパイスの効いたチキンチキンバーガーなどを提供しているようだ。サイドメニューには「angry fries」という『アングリーバード』との関係を思わせるフライドポテトもある。口コミレビューサイトYelpでは、6月27日の時点で星五つの評価を受けており非常に好評。

レストラン「Angry Birdz」のロゴを見ると確かに『アングリーバード』のロゴと類似している。名前だけでなくフォントも似ているため、ゲーム『アングリーバード』と関係ないというには苦しそうだ。グッズなどからもライセンス収益を得ているRovio Entertainmentにとって今回のようにデザインを無断で使用されることは避けたいはず。専門家はRovio Entertainmentが有利だとしているが、裁判の行方が気になるところだ。

Kaisei Hanyu
Kaisei Hanyu

映画とゲームが大好き。オブリビオンからゲーム人生が始まりました。

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