アーケードゲームに出会った少年の青春ドラマ『198X』Steamで発売。名作を彷彿させるゲームをプレイしながら、少年の成長を見守る

スウェーデンのインディースタジオHi-Bit Studiosは6月21日、『198X』をSteamにてリリースした。『198X』は、1980年代を生きる主人公が、ゲームと共に大人へと成長していく様子を描いた作品だ。

スウェーデンのインディースタジオHi-Bit Studiosは6月21日、『198X』をSteamにてリリースした。価格は1010円。本作は、1980年代を生きる主人公が、ゲームと共に大人へと成長していく様子を描いた作品だ。音楽には古代祐三氏も参加している。

『198X』の舞台となるのは、とある街の郊外。主人公の10代の少年は、無邪気でいられるほど若くはなく、かといってさまざまな義務に縛られた大人にもまだなっていない、微妙な時期を過ごしている。彼は、カセットテープのウォークマンを聴きながら地元の街を歩き、何気ない風景の中から思い出を見つけながら歩みを進めていく。何か心躍るものはないものかと、あてもなく探し求めていたのだ。

そしてある日の夜、彼はずっと昔に閉鎖された工場の前でふと足を止める。入り口にネオンが灯っており、何かの店が営業を始めたらしい。この工場跡は、もともと近寄りがたい雰囲気があった場所なのだが、彼は吸い込まれるように店への階段を降りていく。タバコの煙が充満し、多くの若者が集う地下のフロア、そこはゲームセンターだった。主人公の少年は、かつて親にゲームを買ってもらったことはあった。しかし、アーケード筐体の巨大なモニタが放つ光に目を奪われる。それは家でプレイしていたゲームとはまったく違ったのだ。そして彼は、ほかの若者たちに混じり筐体の前に立つ。

 

本作は、上記のようなカットシーンにて主人公の少年の心情をナレーションと共に描き、その後で関連したアーケードゲームのプレイが開始する形となっている。プレイできるゲームは、『ファイナルファイト』風のベルトスクロールアクション「BEATING HEART」や、『R-TYPE』風のシューティングゲーム「OUT OF THE VOID」、『アウトラン』風のレースゲーム「THE RUNAWAY」。そのほか、忍者アクションゲームの「Shadowplay」や、ダンジョンRPG「KILL SCREEN」がある。なお、プレイできるのは1ステージだけなど、ゲームの一部分だけとなっている。

プレイできる時間は短いものの、まったく異なるジャンルのゲームがそれぞれ高いクオリティで仕上げられている。ただ、そうした“ゲーム内ゲーム”は、アーケードゲームという新たな世界に触れた主人公の少年の生活の1シーンに過ぎず、好きなゲームを選んでやり込めるわけではない。なお、本作はおよそ2時間でクリアできるボリュームとのこと。Steamのストアページには「Part 1」であると表記されているため、今後新たなゲームと共に、少年の成長をさらに描いていくものと思われる。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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