もがき苦しみゲームを作る中国のインディー開発者5人を追ったドキュメンタリー映画「独行」日本語版が6月25日にSteamにてリリース決定
弊社アクティブゲーミングメディアの運営するパブリッシャーPLAYISMは6月19日、中国のインディーデベロッパーたちを追ったドキュメンタリー映画「独行」(読み:どっこう)の日本語字幕版を、6月25日にSteamにてリリースすると発表した。価格は520円で、48時間レンタルは310円。
映画「独行」は、中国のインディーゲーム業界の主要人物である梁铁欣氏の監督作品。中国のゲームというと、いまだ“模倣品”などの印象を持つ方もおられるかもしれない。梁氏はそうしたイメージを払拭するために、実力ある中国のデベロッパー5人を約2年間にわたって密着取材した。すでに公開されている英語/中国語版は中国国内外で高く評価され、GDC 2018ではゲーム映画賞にノミネートされている。
2017年、中国のインディーゲームの大型イベント「Indie Play」。そのイベントのアワード発表アナウンスから幕を開ける本作。約2年間に渡り追い続けたデベロッパー達はそれぞれ悩み、苦しみながらそれでも自分の作りたいゲームを作るために奔走する。高学歴の息子に政治家になってほしいと願う親の反対を退けゲーム大会で大賞を取る者もいれば、賞に洩れて座り込んで授賞式を眺めるだけの者、チームが解散して鬱状態になってしまった者、会社が潰れても自分の資金をかき集めて諦めずゲーム制作を続ける者…。それでも誰もが自分が本当に作りたかったゲームが売れて大成功することを夢見て制作を続ける。
2018年、新年。その時彼らが見る景色は、どんな世界なのか――――。日本のニュースからは伺い知ることができない中国の インディーゲームデベロッパーの苦難と夢の物語を、スタイリッシュな映像で描く。
中国のゲーム市場は黎明期にあり、インディーゲームの開発者はまだ多くはいない。そんな彼らにとっての悩みは資金繰り。これは中国以外のインディーデベロッパーも同じだろう。劇中では、完成度の高い作品を制作し受賞経験のある開発者であっても、「家族はもちろんのこと、パブリッシャーや投資家、ユーザーからはクラウドファンディングで資金を集めようとする姿」が幾度も登場。家族に反対され、深夜までひとりで働いてでも、自分が作りたいと思うゲームを完成させるために諦めず力を尽くす。
しかし、そうして完成した作品が売れて、成功できるかどうかはまた別の話。資金繰りのほか、チームのマネジメントや人間関係など、さまざまな苦難がありながらも、熱い気持ちをもって彼らはゲームを作り続ける。その姿には、心動かされるものがあるはずだ。
映画「独行」の劇中にて取材対象となったインディーデベロッパーは、『キャンドルちゃん』の高鸣氏、『WILL: 素晴らしき世界』の王妙一氏、『HARDCORE MECHA』の穆飞氏、『Button Bros』の李远扬氏、『FR Legends』の陈静氏の5人である。高鸣氏や王妙一氏については、弊誌でもこれまでに何度か取り上げてきたため聞き覚えのある読者の方も多いかもしれない。今回リリースされる日本語版にて、彼らの苦難の道のりとゲーム制作への想いに触れてみてはいかがだろうか。