デジタル悪魔に憑依されたのは誰だ?『Lucifer Within Us』発表、カルト教団シム開発元新作では、嘘つき悪魔憑きを見つけ出す

 

インディースタジオKitfox Gamesは6月11日、『Lucifer Within Us』を発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。本作はカルト教団を運営するシミュレーションゲーム『The Shrouded Isle』開発チームが手がける、邪悪シリーズ第二弾である。

舞台となるのは、瓦礫の上に築かれたオールド・ワールド。人類の最後の街は発展し、デジタル化され、アートになった。教会は、デジタル意識ネットワークを用いて真実と発展のために市民を導いている。しかし一方で、世界は欺瞞で満ちている。数世紀にわたり、人々は純粋な考えを持ち、本当の言葉だけを言うべきであると教義されてきた。一見、嘘や妄想では汚されていないように見える。しかし人間である以上は汚れとは切り離せない。仮面の下は潜在的な汚れた欲望で溢れている。解放されたがっている。

そんな中、デジタル化された悪魔が現れネットワークを汚染し、人々の秘めた欲望を表層化させ、殺人にまで至らせ始めた。プレイヤーはAin Soph異端審問所の教会で働くデジタル・エクソシストとして、悪魔に憑かれた罪人を見つけて調和を維持することが求められる。真実を見つけ出し、憑かれている人を見つけ、悪魔を追い払うのだ。

本作では、すべての人々が容疑者である。悪魔に憑かれた人々は嘘をついて、悪魔を隠している。観察と推論で悪魔に魅入られた犯人を見つけ出すのだ。本作はシミュレーションゲームとなっており、容疑者の時間軸を調査する。人々の行動を疑い、行動や証言をじっくり見る。嘘をついているなら、ほころびが出るはずだ。嘘を見つければ、推論の始まりだ。仮説に基づき、証拠と照らし合わせて矛盾を見つけ出せ。誰が何のために嘘をつくのか?証拠に基づき、あなた自身が嘘つきを見つけるのだ。

シナリオはゲーム内で完結し、謎のまま終わることはない。QTEもなければランダムパズルやミニゲームもない。あなたは探偵を振る舞うのではなく、探偵自身。あなたと情報の勝負なのだ。事件の真相を明かすには、単に物語を辿るのではなく、事件を正しく理解する必要がある。そのためには、洞察力を使い、人々が”何を知られたくないのか”見つけろ。潜在意識を探り、悪魔を追い払うために罪悪感に訴えろ。人々が検疫や悪魔祓いなどにより精神にダメージを受けたとしても、それらは彼らの不道徳の結果なので、気にしなくても良い。自業自得なのである。

The Shrouded Isle』も宗教やモラルを題材としたシミュレーションゲームであった。本作は3Dグラフィックを導入し進化を見せながら、同様に宗教やモラルを扱いながら、異なる方向からアプローチする強烈な作品。「悪魔を探すうちに自分に欺瞞しないように」という不穏な文言もあり、プレイヤーは単に真実を見つける探偵の役目を遂行するのみに終わらなさそうだ。『The Shrouded Isle』は日本語に対応されたことから、本作も日本語対応されることに期待したい。