『LoL』の新モード「チームファイト・タクティクス」6月末にベータ開始予定。「LoL版Auto Chess」ともいえる内容に

Riot Gamesは、自身が運営、開発するMOBA『リーグ・オブ・レジェンド(以下LoL)』の新モード「チームファイト・タクティクス(TFT)」のリリースを発表した。今流行中の『Auto Chess』から強い影響を受けているという。

Riot Gamesは、自身が運営、開発するMOBA『リーグ・オブ・レジェンド(以下LoL)』の新モード「チームファイト・タクティクス(TFT)」のリリースを発表した。 LoLでおなじみのチャンピオンを駒のように操り、7人の敵プレイヤーとのバトルロワイヤルを勝ち抜くラウンド制のストラテジーゲームであるとのこと。 現在公開されている情報を見る限り、同じMOBAジャンルにおいて双璧を為すValveの『Dota 2』におけるModであり、急速に人気を拡大している『Dota Auto Chess(Auto Chess)』を強く意識した内容であることは間違いない。 LoLにおける恒常的な実装を目指して、6月末公開予定のパッチ9.13にてベータ版をリリースするとのことだ。

最初に、公式ブログにおいて説明されている「チームファイト・タクティクス」のルールの概要を要約しよう。 各プレイヤーは自分の陣地となるボードを持っており、そこに自身のチームに加わっているチャンピオンを配置していくことになる。 チャンピオンは各ラウンドの開始前にゴールドによってチームに加えることが可能で、そのチャンピオンの所属する地域(デマーシア、アイオニア)やクラス(アサシン、メイジ)が同じチャンピオンを揃えていくと特性ボーナスが獲得できる。 3体の同じチャンピオンを組み合わせるとチャンピオンが「スーパー」バージョンに、「スーパー」バージョンのチャンピオンをさらに3体組み合わせると「アルティメット」バージョンにアップグレードできる。

ラウンドが始まると、7人のうち1人の相手と戦闘をすることになる。 戦闘は完全に自動で進行し、プレイヤーが攻撃やスキルの操作によって戦闘に介入することはない。 そのため、戦闘の準備、すなわちチャンピオンの配置、強化、そして組み合わせを考えることが肝要になる。 戦闘に敗北すると体力が低下し、すべて無くなるとゲームオーバーになるものと思われる。 すべての相手を倒し最後まで生き残ることが勝利条件だ。

『Auto Chess』をご存知の方なら、ここまで説明してきたTFTのルールがDACとほとんど同じであることがお分かりになるだろう。 ヒーロー(チャンピオン)を駒のようにボードに配置し複数人でのデスマッチを行うという、ボードゲームとバトルロワイヤルを組み合わせたゲームデザインはほぼ同一と言ってもいい。 それだけでなく、 属性を揃えることによるボーナス、同じヒーローの組み合わせてのアップグレードなど、ゲームにおける細かい部分も非常に似せてきている印象だ。 そもそもRiot Games自身が、ブログにおいてこの『Auto Chess』の名前に直接言及し、「リーグ・オブ・レジェンドの新たなモードを作る上でインスピレーションを授けてくれました」と述べている。 『Auto Chess』から極めて強い影響を受けて制作されたゲームモードであることは間違いないだろう。

『Dota Auto Chess』

とはいえ、「チームファイト・タクティクス」は『Auto Chess』の完全なクローンゲームというわけではなく、差別化する要素もいくつか明らかになっている。 まず、TFTではゲーム中に特別な「イベント」が発生することがあるそうだ。 プレイヤー全員が集められ、各プレイヤーはランダムに選出されたチャンピオンの中から1体ずつドラフトしていく。 このドラフトはその時点で順位が低いプレイヤーからピックすることになるため、下位プレイヤーは狙ったチャンピオンを優先的にピックできる。 『Auto Chess』には無い要素であり、このモードにおける逆転要素の一つになることだろう。 また、Riot Games社員のツイートによると、『Auto Chess』と比較してプレイ時間は少し短めになる想定だそうだ。

まだTFTの全貌は発表されておらず、未知の部分も多い。 特に、ゲーム性を大きく左右する部分であろう、ラウンド毎にチャンピオンをピックする際のシステムが今のところぼかされた表現になっている。 『Auto Chess』ではピックできるヒーローのリストがほぼランダムに表示され、その中に欲しいヒーローが居たらピック、そうでなければゴールドを使用してのリロール、もしくはピックしない、というシステムになっていた。 この点も『Auto Chess』を踏襲するのか、それともTFT独自のシステムを用意するのかが気になるところだ。 その詳細はリリースまでの期間で順次公開していくとのこと。

Invenより

LoL関連のニュースを数多く配信しているInvenのRiot GamesのプロダクトマネージャーRichar Henkel氏への質問によると、TFTはLoLにおいて不定期に開催される期間限定のイベントモードとは異なり、「ARAM」のように恒常的なゲームモードとして実装することを目指しているようだ。 ライアットは近年、LoLにおけるメインモードである「サモナーズリフト」のような既存のゲームモードから一線を画する、新たな柱となるユニークな新モードの開発に取り組んでいた。

TFTの開発もその一環だと考えられる。 他のモードと大きく異なる点は、TFTにおいては既にランク機能の実装が明言されており、最初にベータ版として公開後、プレイヤーからのフィードバックを参考にバランスの調整などを行いつつ、パッチ9.14(約一ヶ月後)の頃に実装する予定だそうだ。 ライアットは、TFTを充実したメタゲームが成立するような「真に熟成したゲームモード」として扱えるようにするとも述べており、同社の本モードへかける特別な情熱が伺える。 Invenによると、実装時は『リーグ・オブ・レジェンド』に登場するチャンピオンが全て使用できるわけではなく、50体程度になる予定だそうだ。

Takumi Kuriki
Takumi Kuriki

気になった国内外のゲームをつまみ食いしながら過ごしています。LoLとハクスラは一生の友達。

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