『Divinity』シリーズの開発元として知られるLarian Studiosは6月7日、Googleのクラウドゲームサービス「Stadia」の情報を伝える「Stadia Connect」にて新作『Baldur’s Gate 3』を発表した。PC(Steam/GOG)およびStadia向けに開発が進められており、発売時期は未定となっている。
『Baldur’s Gate(バルダーズ・ゲート)』はファンタジー・テーブルトークRPG『アドバンスド ダンジョンズ&ドラゴンズ』第2版を再現したRPGであり、『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を販売しているWizard of the Coastから正式ライセンスを取得して開発されていた。1998年以降、BioWare開発のもと『バルダーズ・ゲート』『バルダーズ・ゲート2シャドウ オブ アムン』『バルダーズ・ゲート2スロウン オブ バール』が発売され、2012年以降は各作品のエンハンスド・エディションが販売されている。
新作を開発するLarian Studiosは1996年の設立後、『Divinity』シリーズを筆頭としたRPGを作り続けてきたゲームスタジオ。2014年に『Divinity: Original Sin』を発売したころからWizard of the Coastにコンタクトを取っていたが、当時は却下されたという。続く『Divinity: Original Sin II』を披露したときに、ようやく認められた。Larian Studiosにとって最大のRPGプロジェクトであり、現在は社内200人体制で開発しているとのことだ(社外も100人ほど)。
※『Divinity: Original Sin 2』ゲームプレイ概要動画
待望の新作『Baldur’s Gate 3』は『ダンジョンズ&ドラゴンズ』第5版をベースにした作品であり、前作までの出来事にも言及されはするが、未プレイでもついていけるような新しい物語となる(GameSpot)。時系列としては、9月に発売されるテーブルトークRPG「Baldur’s Gate: Descent into Avernus」のストーリーライン後。主人公がBhaalspawnかどうかは現時点では不明である。なおLarian StudiosのCEO Swen Vincke氏によると、『Baldur’s Gate II』の敵役Jon Irenicusは復帰しないとのこと(VentureBeat)。
トレイラーではBaldur’s Gateの町の兵士(Flaming Fistの傭兵)が、精神攻撃を使うマインド・フレイヤーに捕食される様子が確認できる。地下世界に生息しているはずのマインド・フレイヤーがBaldur’s Gateを侵略しにやってきたのだ。こうした設定含め、歴史ある『ダンジョンズ&ドラゴンズ』を扱うとなると、原作との矛盾などが厳しく指摘されがち。今回はもちろんWizard of the Coastの監修が入っているほか、Larian Studios自体『ダンジョンズ&ドラゴンズ』ファンのスタッフが多いからこそ『Baldur’s Gate』開発に名乗り出たのであって、物語や設定のツッコミ役は社内に沢山いるという(PC Gamer)。
ソロおよびCo-opに対応しており、ソロプレイ時にはパーティーメンバー全員を操作。戦闘システムが、ポーズ機能付きのリアルタイムバトルになるのか、『Divinity: Original Sin』のようなターン制バトルになるのかは、現時点では明かされていない。プレイ体験としては、「プレイヤーは難題に直面しますし、プレイヤーの選択に反応する世界が与えられます。難しい判断を下すよう迫られますし、そうした判断について意見を持つ仲間もいます。『Divinity: Original Sin II』よりも多くのシステムが与えられ、それらをいじって、実験して、悪用して、願わくばあなたを狙う敵を倒すことに役立てることでしょう」とざっくり説明されている(VentureBeat)。
高評価を得た『Divinity: Original Sin 2』を生み出したLarian Studiosが、20年近く眠っていた名作を再始動させる。まだ発売日は遠いと思われるが、長年続けてきた『Divinity』シリーズからさらなる躍進を見せてくれるのか、期待して待ちたい。
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