『The Elder Scrolls VI』は10年以上遊ばれるゲームを目指す。『Fallout 76』のローンチを振り返りつつ、Todd Howard氏が未来を語る

『The Elder Scrolls VI』は10年以上遊ばれるゲームを目指しているとTodd Howard氏が発言。ただ『The Elder Scrolls VI』の開発本格化は『Starfield』の後になるため、相当な時間がかかるとも示されている。

E3 2019での情報発信は無いと明かされている『The Elder Scrolls VI』。Bethesda Game Studiosの顔として数々のインタビューに応じているTodd Howard氏は、E3開催に先駆け『The Elder Scrolls VI』や『Starfield』および『Fallout 76』について、海外IGNのロングインタビューにて語っている。

 

『Starfield』はHoward氏にとって究極のSFを目指す

Bethesdaは2018年のE3にて『The Elder Scrolls VI』と新規IP『Starfield』を発表した。いずれも短いティザー映像のみでゲームの内容は明らかになっていないが、現在注力しているのは個性的かつ(Howard氏にとっての)究極のSFを目指しているという『Starfield』。リリース順としても『Starfield』の方が先となる。そしてIGNのインタビューに応じたHoward氏によると、『Starfield』のリリースまで時間がかかるだけでなく、その後にくる『The Elder Scrolls VI』発売までのインターバルもかなり長くなるという。両作とも次世代機向けに開発されており「ファンには辛抱強く待ってもらわなければいけない」と語っていることから、少なくとも数年はお目にかかれないと考えてよいだろう。

※E3 2018で公開された『Starfield』ティザー

ただプレイヤーが待ちわびることは必ずしも悪いことではなく「とても新鮮な目でゲームを遊んでもらえるようになる」と回答。また実際に遊んでもらえれば、リリースまでの間隔以上に技術力や開発陣の構想が大きくステップアップしていると、理解してもらえるだろうと自信を覗かせている。なおHoward氏は『Starfield』『The Elder Scrolls VI』について2018年7月、『Fallout 76』のようなマルチプレイではなく「シングルプレイのままキープしたい」と発言している(関連記事)。

 

『TES VI』は10年以上遊ばれる作品を目指す

『The Elder Scrolls』シリーズ作品は長く遊ばれる傾向にあり、今でも『The Elder Scrolls V: Skyrim』は多くのプレイヤーに遊ばれている。『The Elder Scrolls Online』の運営も順調。Nintendo Switch版の『Skyrim』も「オンラインでは笑いのネタにされていますが、Switchでもっとも売れているタイトルのひとつです」と伝えている。

「私たちがリリースしたものは、なんでもヒット作品になります。ファンは私たちの作品を愛し、長く遊んでくれています。Modなどがあるおかげで、ほぼ無限に遊び続けることができます」。だからこそ『The Elder Scrolls VI』は「少なくとも10年以上は遊ばれる」ゲームになるようデザインしなくてはならないと答えている。それくらいの意気込みでないと、長寿作となった『Skyrim』のファンの期待に応えるのは難しいだろう。

※E3 2018で公開された『The Elder Scrolls VI』ティザー

発売まで長い年月を要するというHoward氏のこれまでの発言から察するに、実際に遊べるようになるのはかなり先。なおHoward氏は『Fallout 4』『Fallout 76』で実践したように、発表から発売までの期間は「短ければ短いほど良い」というスタンスをとっている。『Starfield』『The Elder Scrolls VI』の情報解禁もしばらくはなさそうだ。

 

『Fallout 76』の批判は予測できていた

また2018年11月に発売され、技術的な不具合の多さや単調なゲームプレイ、限定版特典の品質などが批判の的となった『Fallout 76』については、低評価になることは発売前からわかっていたと認めている(本稿執筆時点でのMetacriticのメタスコアはPS4版53点、PC版52点)。また同作はBethesda従来の作品とは毛色の異なるオンラインマルチプレイゲームであることから、いくらか批判されるであろうと予測していたという。「その多くは、受けてしかるべき批判でした」。反省点としては、ベータテストを数か月単位で実施しておけば、より良い結果が出たであろうと述べている。

ただHoward氏は、『The Elder Scrolls Online』を引き合いに出し、『Fallout 76』のようなゲームは「どのような状態でローンチされるかよりも、どのように進化していくのか」の方が大事であるとも述べている。『Fallout 76』は長期運営タイトルであり、今後もアップデートを継続する予定。E3 2019でも新情報が発表されるという。コミュニティの声に耳を傾けつつ、引き続きゲームを改善してくれることを期待したい。

https://www.youtube.com/watch?v=CIZ-LGaRB6M

※2019年3月に公開された『Fallout 76』「Wild Appalachia」トレイラー

『DOOM Eternal』『Wolfenstein: Youngblood』などの新情報公開が期待される「Bethesda E3 Showcase」は日本標準時6月10日午前9時30分より開始予定。Twitchでは声優の青木瑠璃子さんをゲストに招き、当日午前9時から日本語での放送をおこなうとのことだ(E3 2019日程まとめはこちら)。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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