天空に浮かぶ島で暮らすMMO『Worlds Adrift』今年7月にサービス終了へ。十分なプレイヤーが集まらず開発継続を断念

 

イギリスのインディースタジオBossa Studiosは5月29日、MMOサンドボックスゲーム『Worlds Adrift』の開発およびサービスを終了すると発表した。本作は、2017年からSteamを通じてクローズドベータテストと早期アクセス販売をおこなってきたが、今回の発表を受けてすでに販売を終了している。そして今年7月にサービス終了し、以降はプレイできなくなるとのこと。

『Worlds Adrift』は、大空に浮かぶ島々を舞台に、遊牧民として文明崩壊後の世界を生きるMMOだ。資源を集めて衣類や道具、武器などをクラフト。さらに、パネルやパイプなどのオブジェクトや、反重力装置やエンジンといった装置もクラフトでき、オリジナルの飛空艇を建造可能。コミュニティを築き、大空を冒険したり古代遺跡を探索したり、あるいはほかのプレイヤーと戦ったりと、各々が自由な目標を設定してプレイする。本作では、Improbable社のクラウドベース大規模シミュレーションシステム「Spatial OS」を採用していたことも特徴だった。

開発元Bossa Studiosは、Spatial OSによって文字どおりコミュニティによって形作られていく独自のMMOを生み出し、プレイヤーにその世界を体験してもらえたことには誇りを感じていると語る。ただ、プロジェクトを継続するために必要なだけのプレイヤー数が集まらなかったという。

Steam Chartsによると、本作の同時接続プレイヤー数は最大で約2000人。ここ数か月は100〜300人規模だった。同スタジオは、本作は数百万人のゲーマーの心を捉えることに失敗したと述べており、目標には大きく及ばなかった。MMO開発には大きな投資を伴い、採算が見込めないと判断したため、今回のサービス終了を決定したとのことだ。

冒頭で述べたとおり、『Worlds Adrift』は今年7月にサービス終了し、すべてのキャラクターや飛空挺、アイテムにはアクセスできなくなる。本作のための島を制作できる『Worlds Adrift Island Creator』は引き続き利用可能だが、ゲーム本編への島の移行はもちろん不可となる。なお、Update 29以降のゲーム内ショップでの購入に関しては返金されるとのこと。ゲーム本体の返金についてはSteamの規定に準じる。

サービス終了に合わせて、本作では「End of the World」なるイベントを実施し、また開発陣によるAMAもおこなうという。具体的な日程は今後発表予定。また、ゲーム内ショップで販売されているすべてのコスメアイテムがすべてのプレイヤーに提供され、さらにFounder Captainのプレイヤーには、同スタジオが手がけた『Surgeon Simulator』と『I Am Bread』がプレゼントされるとのことだ。

なお、開発元のBossa Studiosは現在複数の未発表タイトルを開発中で、近く発表するという。