サイコホラーADV『Layers of Fear 2』がSteam向けに本日リリース。 夢と現の狭間のような世界で異形の存在から逃げる
デベロッパーのBloober TeamおよびパブリッシャーのGun Mediaは本日5月29日、サイコホラーADV『Layers of Fear 2』をSteamおよび海外PlayStation 4/Xbox One向けにリリースした。Steamでの販売価格は3090円(6月1日までは10%オフの2781円)で、日本語は非対応。本稿執筆時点ではストアページの表記が「予約購入」となっているものの、既に配信は開始されている。
本作はひとりの画家が狂気に蝕まれていく様子を描いた前作『Layers of Fear』の続編にあたり、ストーリーに直接的なつながりはないが、ゲームシステム面や演出面を引き継いだ形の作品となっている。
今作でプレイヤーはハリウッド俳優となり、撮影のために訪れた客船を舞台に、謎の幻聴や幻覚などに見舞われることとなる。ストーリー進行は章仕立てになっており、謎の声に導かれながら船内を探索していく。物語は自室を拠点に展開され、映画フィルムを発見していくことで次章への扉が開かれる。視点を変えるとあったはずのものが消失、あるいはなかったはずのものが存在するなど、一人称視点であることを活用した手法は前作から引き継がれており、プレイヤーへ直接的な混乱を招く演出で高い没入感を実現している。くわえて本作では船内に異形の存在がうごめいており、“追われる恐怖”も味わうこととなる。前作から『P.T』の影響を色濃く受けていることもあり、細部まで作りこまれたグラフィックと次々と起きる怪現象によって、じわじわと恐怖に陥る感覚は“サイコホラー”を冠するに相応しいものとなっている。
本作では主人公がハリウッド俳優ということもあり、ホラー映画からのオマージュがふんだんに盛り込まれている。例えば、各章のローディング画面に往年のホラー映画のポスターを模した画像が表示される。また、異形の存在がスクリーンから這い出てくるなど、どこかで見たホラー要素が本作流にアレンジされている。
そして演出面に関しても映画を意識したつくりとなっており、謎解きに映写機を活用する場面や、コマ送りで動く人形、どれだけ進んでも最奥にたどり着けない通路など、サイコホラー要素と映画的な演出手法が上手くかみ合っており、ホラー映画ファンならニヤリとするシーンが盛りだくさんだ。
本作の開発を手がけるBloober Teamは他にも5作のゲームをリリースしており、なかでも2017年にリリースされたサイバーパンクホラー『>observer_』は『Layers of Fear』シリーズと同じくサイコホラー要素が含まれた作品となる。『>observer_』も「ブレードランナー」や「AKIRA」、「GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊」などの映像作品から影響を受けており、Bloober Teamは映画という素材にホラーという“スパイス”を加えてゲームを生み出すユニークなデベロッパーなのかもしれない。
冒頭で記載したとおり、本作は6月1日までスペシャルプロモーション価格の2781円で購入可能。狂気の世界に浸りたい方はぜひこの機会にプレイしてみてはいかがだろうか。