『ファイナルファンタジーVII リメイク』の「エアリスのデザイン」はどちらが好みか?国内と海外で意見が分かれ、議論が盛り上がる


スクウェア・エニックスは今月5月9日、『ファイナルファンタジーVII リメイク』の新たな映像を公開した。6月にさらなる情報を公開するといい、それに先駆けてティザー映像を流した形となる。数々のディテールからオリジナルにも存在した要素を読み取ったり、4年前のトレイラーと比較してそのUIやグラフィックを比較したりなど、短い映像ながら国内外で熱い注目を集めた。

その中でも特に議論されているのが、同作におけるヒロインのひとりとなるエアリスのデザインである。今回のトレイラーで披露されたエアリスに対しては、国内ユーザーからのリアクションが多かったが、そのリアクションがこのタイミングになって欧米ユーザーに共有された。

 

大人になったエアリス

きっかけとなったのは5月14日、日本国内の出来事や文化を海外に伝えるYouTubeチャンネルTokyosaurusが、『ファイナルファンタジーVII リメイク』のティザー映像に映ったエアリスに関する国内の反応を伝えたこと。同チャンネルは全般的に新映像について褒めながら、Redditでの海外ファンの反応がポジティブであることに言及。一方、Twitterやブログなどをソースに、国内でのエアリスに対する複雑な反応を伝えている。顔が長すぎるという声をピックアップし、それにともない顔を縮小するコラージュ画像を提示。どちらが好みであるか読者に問いかけた。同動画は25万を超えて再生され、コメント欄では5000件以上の意見が寄せられ、動画が公開されて1週間が経過した今も、議論が盛り上がっている。
【UPDATE 2019/5/23 19:30】
Tokyosaurusの参照元について表現を変更

さまざまな意見が存在するが、より高評価を獲得しているのは、修正されていない、つまり現在のエアリスに対して好意的な意見だ。1500以上の高評価を獲得しているのは「最近はみんな何にでも文句を言うなあ。エアリスはいい感じだよ。(People are REALLY reaching to whine about anything now a days. I think she looks just fine.)」と「正直言って、彼女の顔に問題があるように見えない(To be honest I don’t see problems with her new face.)」のふたつ。そのほか500以上の高評価を獲得しているのも、「彼女は22歳で16歳じゃない。きれいだしかわいいし年相応だよ。(She is 22, not 16. She looks amazing and pretty as she should.)」といった肯定的な声がほとんどだ。

左がオリジナルで、右が顔縮小版

 

西洋顔なエアリス

国内の意見は本当に「否定的」だったのか疑問に思う方もいるだろう。AUTOMATON編集部は実際に、トレイラーが公開された直後である5月9日の日本時間8時から9時まで、「エアリス 顔」というキーワードでTwitterにて検索をかけ、マニュアルでその数字を出した。結果としては、エアリスの顔について、はっきりした意見を表明するものをカウントすると、否定的な意見が135。好意的な意見が28。「エアリスの顔……」「うーん」といった示唆的な意見はどちらにも含んでおらず、はっきりと「イメージと違うからがっかり」といった否定的な言葉をチョイスしているもののみカウントしている。「外国人顔」「濃い」といった中立意見は8に留まった。そのほか、「エアリス モデリング」といったキーワードで検索をかけたが、概ね反応は同じ。エアリスの顔に違和感がない人はそもそもつぶやかないことを考慮しても、否定的だと認識するのは的外れではないだろう。

ではどのへんが、不評なのだろうか。Twitterユーザーの否定的な意見は、ある程度同じ方向を向いており、結論としては「大人すぎる」という不満が多い。新映像のエアリスは、これまでのスクウェア・エニックス作品のキャラクターと比べても目が小さく、顔が長く、鼻の下が長い。より成熟しているともいえるし、より西洋的な顔立ちになったともいえる。より西洋な顔立ちになったエアリスが、欧米を中心とした海外ユーザーから受け入れられるのは自然な流れである。

 

オリジナルがある

これだけなら好みの問題といえるが、『ファイナルファンタジーVII』シリーズにおいては、『クライシス コア ファイナルファンタジーVII』「ファイナルファンタジーVII アドベントチルドレン」といった関連作品において、エアリスは現代的な3Dで描かれている。そちらのエアリスは、もう少し小顔で目が大きい印象を受ける。すでに、精細に描かれる「公式のエアリス」が存在している以上、装い新たに登場する顔つきの変わったエアリスに違和感を抱くのは理解できる。

しかし議論というのは昨今、どこにでも存在している。公開された映像で、言及されているのはエアリスだけではない。バレットについては「ステレオタイプな黒人演技ではないか」とKotakuが取り上げたり、エアリスほどではないがクラウドのデザインについての賛否も存在する。“語りたい”人々が多く、さまざまな部分が多角的に議論され続けているのだ。またデザインに正解はなく、今のデザインを変更すれば海外の好意的だったファンは否定的になる可能性もある。そして今の段階でデザインの可否についての判断を下すのは、あまりに早急でもある。なおこのデザイン議論においては、前述のTokyosaurusが「ソニックの映画の域にはない」とコメントしていたことも付け加えておきたい。

ティファを含めて、まだまだ公開されていないキャラクターは多い。デザインについて議論をするのも、ひとつの『ファイナルファンタジーVII リメイク』における楽しみ方ともいえる。初登場から長い年月を経て、高い熱をもって再び話題にのぼり続けるスクウェア・エニックスの人気作のリメイク。6月にさらなる情報が公開された際には、さらに議論が活発になりそうだ。