『ディビジョン2』解禁されたレイドがマッチメイク非対応である理由を開発陣が説明。将来的には、何かしらの方法でグループを探せるようになる

 

ディビジョン2』のレイドコンテンツ「オペレーション・ダークアワーズ」が5月17日午前1時に解禁された。最大8人パーティーで、ワシントン・ナショナル空港を舞台とした本作最難関の任務に挑むことができる。レイド開幕前の開発者ライブストリームによると「最低でも4人必要だろう」とのこと。遭遇するボスは4体。戦利品はボスからのみドロップする。各ボスは単純なDPSだけでは勝てず、仲間と協力して戦闘ギミックを解く必要がある。

チェックポイントに到達すると進捗がセーブされ、あとでそこから再開できる(ウィークリーリセットの時期になると進捗リセット)。レーダーは無効。レイド専用アイテムとして蘇生キットがあり、ダウン状態の仲間は通常どおり蘇生できるが、意識を失った仲間は蘇生キットを使わないと復帰させることができない。蘇生キットは各戦闘の開始時に補充可能だが、1度に1つしか携帯できない。

 

「マッチメイク非対応」に不満の声

レイドは他のコンテンツとは異なり、マッチメイク機能が搭載されていない。そのためクランやフレンドを集めて挑む必要がある(レイドの参加条件・仕様については前回記事参照)。この仕様についてはプレイヤーからの不満の声が多く、redditでも複数のスレッドが立ち上がっている。人数制限が無いとはいえ、レイドの難易度は8人想定で固定。同時に遊べるプレイヤーを8人近く集めるのは大変であり、「最適な体験でなくとも、体験できないよりはマシ」であるとして、マッチメイク対応を望む声が散見される。レイド限定のギアセットやエキゾチック武器もあるため、ひとりで遊んでいるプレイヤーはそれらの入手が困難。そもそも事前に告知されていなかったことや、全てのコンテンツにマッチメイクが搭載されるという作品発表当初の宣伝と異なることも不満点として挙げられている。

ではなぜ、本作のレイドはマッチメイク機能に対応しないのか。最新の開発者ライブストリーム「State of the Game」にて、ライブコンテンツマネージャーのYannick Banchereau氏とシニア・コミュニティデベロッパーのHamish Bode氏が、その理由を説明した。

 

コミュニケーション必須コンテンツ

まずBode氏は「マッチメイク機能を含まなかったのは、ランダムグループでは良いゲームプレイ体験が生まれないと考えたからです」と説明。それにフォローする形でBanchereau氏が以下のように話している。

「レイドはプレイヤーのコミュニケーションスキルやチームワーク、ビルド構成を試すコンテンツです。前作の侵略と比較してはいけません。しっかりと準備し、チームをつくり、チームをまとめ上げ、各個人の役割を決める必要のあるゲーム体験にしたいのです。ミッションに失敗する可能性があり、その際は何がいけなかったのか振り返り、新たに戦略を立て、再び挑むことになります。意思疎通、準備、編成がカギとなるのです。攻略方法が分かる前の初期段階においては特にそうです。そのため、マッチメイク機能は良い解決策になるとは思いません。ランダムマッチングの場合、相手が喋らなかったり、同じ言語を話さない可能性もあります」。

とはいえ、レイドは時間と共に進化していくコンテンツであり、今後も議論を続けてほしいとも伝えている。「私たちは議論の流れを見て、それに適応していきます。特にレイドを実際にプレイしたあと、意見がどう変わっていくのか注目しています」。なおレイド解禁直前に配信された開発者ライブストリームでは、将来的にソロプレイヤーがグループを見つけるための何かしらのゲーム内手段が用意される計画があると説明されている。プレイヤーの言語やマイクの有無含め、さまざまな条件があるため普通のマッチメイクとはならない。

「全てのプレイヤーが遊べる機会を得られるようにしたいのですが、初めてレイドに触れる実装初期段階では、究極のタクティカル体験であってほしいのです。レイドは根本的に、ソーシャルなアクティビティになるようデザインされたコンテンツなのです」。実際に遊んでみると、最初のボス戦から仲間との連携が求められることが実感できるだろう。

 

『Destiny 2』ではガイド付きゲームがある

同ジャンルの他作品に目を向けてみると、『Destiny』シリーズのレイドも原則的には野良マッチメイクに対応しておらず、事前にパーティーを組んで挑む必要があった。『Destiny 2』ではクラン勢が攻略に慣れてきたころに「ガイド付きゲーム」として、ソロプレイヤーが「ガイド役」のクラングループとマッチングしてレイドに挑めるようになった。

複数人で連携しないと解けないギミックやボス戦があると、攻略方法が広まっていないローンチ初期の段階では、プレイヤー間で最低限のコミュニケーションを取らなければ攻略は難しい。ローンチ時点でランダムマッチメイクを採用しない理由は理解できるだろう。ただ先述した開発者のコメントにあったように、将来的には何かしらの方法でグループを探せるようになるということで、ソロプレイヤーでも挑戦しやすい仕組みが導入されることに期待したい。

MMORPGにおいては、プレイヤーがギルドやクランに参加する理由が複数存在し、レイドはそのうちのひとつでしかない。ひとりで遊んでいてもチャットで気軽に話しかけられたり、ギルドに誘われたりといった交流がゲーム内で自然と発生する。一方で『Destiny』や『ディビジョン2』は、クランに参加するインセンティブはあるにはあるが、クランに参加しているからこそ楽しめるコンテンツというのは限られている。ひとりで遊んでいる最中の他プレイヤーとの交流の機会も限られる。そうしたゲームの性質の違いもあり、プレイヤーがレイドに求めている条件や体験は異なってくるだろう。少なくとも前もって告知しておけば、落胆は軽減できたかもしれない。

なお『ディビジョン2』ではレイドだけでなく、第2回アパレルイベント「ダークアワーズ」も開幕している。こちらは6月6日まで開催される予定だ。