Blue Manchuは5月15日、『Void Bastards』の発売日を発表した。PC(Steam/Humble Bundle)および海外Xbox One向けに、5月29日に発売される。ストアページに記載されている対応言語には日本語も含まれている。
Blue Manchuは『システムショック2』『バイオショック』などで知られるIrrational Gamesの共同創設者Jonathan Chey氏が立ち上げたインディースタジオである。そうしたChey氏が関わってきたタイトルから影響を受けた、『FTL: Faster Than Light』ライクなコミック調ストラテジーFPSとして昨年11月にアナウンスされた。マイクロソフトのインディー支援プログラムID@Xboxを利用しており、コンソール版はXbox Oneのコンソールローンチ独占タイトルとなっている。
プレイヤーが操作するのは、宇宙船の脱出ポッドに乗り込み宇宙をさまよう囚人たち。サルガッソ星雲にて遺棄された宇宙船を巡りながら物資や装備を整えていく。宇宙船に乗り込む一人称視点操作の探索パートや、宇宙船のマネジメント、武器・アイテムのクラフトなど複数のレイヤーに渡りプレイヤーの判断が問われる。目標は脱出ポッドを修理するための部品を集め、サルガッソ星雲から脱出することだ。
廃船探索に持ち込める武器は3スロットのみ。アサルトライフルやショットガンといったメイン武器、戦術的に使う必要のあるデバイス群、そして非殺傷ガジェットである。非殺傷ガジェットの例としては、敵やタレットを持ち運び別の場所に移動させるRiftが挙げられる。持ち込める武器だけでなく、持ち帰るアイテムの数も制限されているので、何を優先的に持ち帰るのか、探索のたびに考える必要がある。弾薬や資源も限られているのでリソースマネジメントが重要。酸素残量にも気を付けねばならない。
※2018年12月に海外IGNが公開したゲームプレイ映像
ストラテジーFPSと謳ってていることもあり、エイム力重視というよりは、事前のマップ構造・脱出経路確認、トラップやガジェットの有効活用、船内設備の操作といった頭脳戦を重視していることがうかがえる。探索パートでは地球外生命体と戦いながら食料や資源を集めて脱出。拠点で装備を整えつつ、ノード状のワールドマップを移動し、次なる宇宙船を探して航海する流れとなる。
操作できる囚人にはさまざまな種類があり、それぞれ性能が異なる。ハッキング、ロックピック、スナイピングといった自身の長所にあった攻略方法を探るのだ。一度死亡した囚人は戻ってこないが、人員補充は可能である。
Blue Manchuの創設者Jonathan Chey氏は、2K Games時代に『XCOM』のFPSプロジェクトにも関わっていた。だがプロジェクトは結局FPSではなく、『The Bureau: XCOM Declassified』という三人称視点の作品としてリリースされる。Chey氏はずっと、「『XCOM』を一人称視点シューターとしてつくる方法はあるはずだ」という考えを持っていたという(Rock Paper Shotgun)。
また『バイオショック』開発中には、プレイヤー主導で進行するタクティカルな戦闘機会を、もっと多く与えられるようなフレームワークをつくりたいとアイデアを膨らませていたとのこと。とはいえ、小さなインディースタジオがFPSを作りこむのはコスト的に難しい。そんな中、本作のディレクターであるBen Lee氏は『Return of the Obra Dinn』のスクリーンショットを見て、コミック調のビジュアルにすれば、そうした問題を軽減できるのではないかと思いついたという。そこで『Doom』や『Duke Nukem』スタイルのスプライト・レンダリングを用いつつ、レトロな印象を与えないよう高解像度化したのが本作のビジュアルである。
このように『Void Bastards』は開発陣の経験の蓄積や、他作品から得たヒントをもとに開発が進められていった。上のゲームプレイ映像でも、慎重に次の一手を考えながら船内を探索する様子が確認できる。そんなストラテジーFPS『Void Bastards』は5月29日、日本語対応で発売予定だ。