『Dead Cells』iOS/Android版発表。カスタマイズ性の高いタッチ操作を採用し、独自のゲームモードも追加


パブリッシャーのPlaydigiousは5月7日、『Dead Cells』のモバイル版を発表した。iOS向けには今夏配信予定で、価格は9.99ユーロ。少額課金要素や広告などはなく、買い切り型である。Android版も開発中で、時期は未定ながらiOS版のリリース後に配信するとのこと。

『Dead Cells』は、インディースタジオMotion Twinが手がけた2Dアクションゲームだ。死ぬと最初からやり直しになるリプレイ性の高いローグライトと、広大なステージを探索しながらゲームを進めるメトロイドヴァニアを組み合わせた“ローグヴァニア”を名乗り、歯ごたえあるアクションと、豊富な装備アイテムや成長要素による奥深いゲームプレイを楽しめる。これまでにPC/Nintendo Switch/PS4および海外Xbox One向けにリリースされ、多くの賞を受賞するなど高い評価を獲得。100万本を優に超える大ヒット作となっている。

今回発表されたモバイル版は、ゲーム内容としては基本的にはPC/コンソール版と同じになる。販売元Playdigiousによると、本作はNintendo Switch版が存在するため、近年のスマホやタブレットの性能なら問題なく動作するという(推奨端末は未発表)。ただし、モバイル向けならではの調整が施されている。もっとも大きな点はタッチスクリーン操作への対応だろう。開発中には『フォートナイト』や『Lineage 2』など、モバイルで成功している作品の操作系を参考にしながら試行錯誤を重ねたそうだ(Gamasutra)。

上のスクリーンショットはモバイル版のもので、まず画面左下に移動用のバーチャルパッドがある。デフォルトでは画面左半分のどこを触れても操作できるフローティング式になっており、オプションで位置を固定することもできる。Playdigiousによると、これまでにリリースした作品ではプレイヤーの8割がフローティング式を好んだためこちらをメインに採用したが、固定式を望むプレイヤーもいたため両方用意したという。

そして画面右側には各種ボタンが並ぶ。2種類の武器と2種類のスキル、ジャンプ、ドッジロール、そしてアイテムを拾ったり扉を開けるなどのアクションボタンだ。これらのボタンは、位置と大きさを個別にカスタマイズできる。プレイスタイルやプレイヤーの手の大きさ、またデバイスのサイズなど環境はさまざまなためカスタマイズ性は必須だろう。なおドッジロールに関しては、スワイプ操作に置き換えることも可能。良いアイデアではあったものの、操作性が大きく変わるためオプションとして用意しておくに留めたそうだ。

このように画面を直接触れて操作するため、ミニマップや体力などのUIは画面上部へと移動させている。体力の回復や、メニューボタン、また1度クリアすると利用できる頭部を切り離すためのボタンも独自に用意している。なお本作はタッチ操作だけでなく、MFi/Bluetoothコントローラーでもプレイ可能だ。

もうひとつオリジナル版とは異なる要素があり、それは「Auto-Hit」モードの追加だ。このゲームモードでは、武器スロットのひとつは近接武器専用となり、プレイ中に敵に近づいた際には自動でその武器での攻撃がおこなわれるという。そのほかの遠距離武器や盾、また移動などの操作は通常どおりプレイヤーがおこなう。

Auto-Hitモードは、オリジナル版の開発元Motion Twinからの提案を受けて開発されたもので、既存の『Dead Cells』プレイヤーがモバイル版に移行するための助けとなることを目的にしているとのこと。もちろん、すべての操作をプレイヤーがおこなうモードも用意されており、Auto-Hitモードはあくまでオプションである。

『Dead Cells』は、レスポンスの良い操作性によって生まれる滑らかなアクションが大きな特徴のひとつ。ゲームプレイは歯ごたえある難易度ではあるが、ミスをゲーム側のせいにできない操作性の良さがゲームへの評価の高さにも繋がっている面がある。これがタッチ操作のモバイル版でもどこまで再現できているのか、その仕上がりに注目したい。

なお余談であるが、Motion Twinは今回の発表と同日に『Dead Cells』のコンソール版について言及している。PC版先行で無料配信されている、新規ステージなどを追加する大型DLC「Rise of the Giant」について、コンソール版の開発が終盤を迎えており、現在最終チェックをおこなっているところだそうだ。順調にいけば来週か再来週には配信できるだろうとしており、こちらも期待である。