『マインクラフト』最新アップデートで、オリジナル作者Notch氏の名前が消える
Mojangは、『マインクラフト』Javaバージョン1.14のスナップショット19w13aアップデートを実施した。村を襲撃から守り切ると得られるエフェクト「村の英雄」が追加されたことを筆頭に、数々の追加や調整がはかられた。そのアップデートでは、増えるだけでなく消えたものもあった。それは『マインクラフト』を生み出したオリジナル作者、Notch氏への言及だ。
『マインクラフト』では、タイトル画面にてロゴを横切るように黄色いメッセージがランダムに表示されるスプラッシュテキストなるものが存在する。アップデートにちなんだものやジョークなど、さまざまなテキストが表示される。これまでは、そこに「Made by Notch!」 「The Work of Notch!」という文言が含まれており、プレイをすればそうしたテキストを見ることができた。一種のトリビュートになっていたわけだ。しかし今回のアップデートにより、そのテキストが消えていると報告されている。
https://twitter.com/decrepitlab/status/1111027619888316417
Twitterユーザーdecrepitlab氏が、スプラッシュのファイルから「Notch」というテキストが消えていることを報告。PC Gamerは実際にアップデート以前のデータと比較し、改めてそのテキストが消滅したことが確認している。パッチノートにも、スプラッシュテキストに調整を施したことが記されているので、名前が消えたことは間違いなさそうだ。なお、クレジットの方ではまだ名前が残されているという。
Notch ことMarkus Alexej Persson氏は、『マインクラフト』を生み出したスウェーデンのクリエイターだ。試行錯誤を重ねながら開発を進めたのち、仲間と共にMojangを設立。開発と改良を重ね、同作をウルトラヒット作品へと導いた。その後Notch氏は2014年9月に、Mojangと『マインクラフト』IPを25億ドル(2750億円)でマイクロソフトへと売却。開発および運営から正式に身を引いた。
Notch氏は才能に恵まれたクリエイターである反面、SNS上などでの問題発言が多いお騒がせ人物でもある。Wii Uを皮肉る発言を重ねて反感を買ったり、性/人種差別ともとられかねない発言をTwitter上で繰り返している。一方でファンと絶えず交流を続けており、気分屋で寂しがり屋な傾向も見せる。Mojangを売却した後も、なかなかに情緒不安定な一面を覗かせている。
真意は不明であるが、マイクロソフト傘下となったMojangが、そうした問題発言を繰り返すNotch氏とのつながりを絶とうとしたのかもしれない。一方で、ゲームを遊ぶ子どもたちに「『マインクラフト』が誰が生み出したのか」ということが説明できなくなったという懸念も指摘されている。Twitterでは、『マインクラフト』を気に入った子供に、誰が作ったのか問われた父親が「誰が作ったわけでもない。宇宙からきたんだ」と答えるツイートが多くの共感を呼んでいる。
https://twitter.com/zarawesome/status/1070808886167375874
Notch氏の手から離れた後も、順調に進化し世界で愛される『マインクラフト』。ひとつの時代が終わりを迎えたと表現できそうだ。当のNotch氏も名前が消えたことについて反応。(自身の名前が消えて関連がなくなったことに)最高の日だとコメントしたり、「扉が閉じられただけで、何も変わっていないよ」とファンに落ち着きを促したり、皮肉めいた発言を繰り返したり。『マインクラフト』からその名前が消えてもなお、真意がわからない言動を見せるNotch節は健在のようだ。
https://twitter.com/notch/status/1111040012244533248