ラヴクラフト作品から影響受けた、火星探索コズミックホラー『Moons of Madness』ハロウィンシーズンに発売へ

ラヴクラフト作品から影響を受けた火星探索コズミックホラー『Moons of Madness』が今年のハロウィンシーズン、PC/PS4/Xbox One向けに発売される。『Moons of Madness』は火星にある研究施設内外で超常現象に襲われ、狂気へと導かれていく一人称視点のホラーゲームだ。

ゲームパブリッシャーのFuncomは3月26日、一人称視点操作の火星探索コズミックホラーゲーム『Moons of Madness』を2019年のハロウィンシーズンに発売することを発表した。対応プラットフォームはPCおよびPlayStation 4/Xbox Oneを予定している。PC版の詳細な配信先は未定とのことだ。

同作は2017年に発表された、ノルウェーのRock Pocket Gamesが開発中のUnreal Engine 4製の作品だ。弊誌でもIndie Pickとして紹介済みである。2017年に発表されてからFuncomがパブリッシャーにつき、このたび以下の最新トレイラーとともに発売時期がアナウンスされた。2017年当時の情報と、今回公開された情報を見るかぎり、いくらか物語や設定が変わっているようだ。

本作は、科学的調査を目的として火星に向かった民間企業の従業員が、ラヴクラフト・ライクな超常現象に襲われるという内容となっている。知的生命体が発信したと思わしき謎の信号を受信したOrochi社は、火星にて極秘裏に研究施設Invictusの建設を開始。主人公となるのは、研究施設の建設にあたり送り込まれたチーフ・エンジニアのShane Newehartである。彼に与えられた任務は、船外活動に向かった仲間たちが戻ってくるまで、施設を点検し、稼働させておくことである。

だが万事がスムーズにいくはずもなく、セキュリティシステムが誤作動したり、グリーンハウスが奇妙な霧で満たされたり、診療所に火星の砂埃が漏れこんだり、施設内の設備が次々と機能不全を起こし始める。次第に施設自体の問題だけでなく、Newehart自身が現実なのか幻覚なのか定かではない不思議な現象に襲われ、狂気へと誘われていく。地球から遠く離れた火星での孤立、および襲いかかる幻覚に立ち向かうのだ。また今回公開された最新トレイラーでは、火星で出くわすことになるであろうクリーチャーたちの姿も確認できる。

火星の研究施設では、コンピューターや電力システム、探査車、ソーラーパネルなどを活用して、さまざまな難題に対処していくことになる。いずれは施設の外にまで探索の範囲を広げることに。火星を舞台とした本作の開発にあたっては、NASAやSpaceX社の研究成果を調べあげたうえで、ラヴクラフト作品から影響を受けた物語やゲームプレイを組み合わせていったという。なお本作はFuncomが開発/販売しているアクションRPG『Secret World Legends』と世界観および神話体系や伝承を共有する作品であるとのことだ。『Secret World Legends』はさまざまな神話体系や伝承が組み合わさったシェアードワールド型の作品である。Funcomと組んだことにより実現した設定変更だろう。

『Secret World Legends』

ラヴクラフトもしくはクトゥルフ神話を題材とした作品のリリースは続いており、今年2月にはラヴクラフトの「クトゥルフの呼び声(The Call of Cthulhu)」をもとにした探偵RPG『Call of Cthulhu』が日本語に対応。今年6月にはクトゥルフ神話の世界観から着想を得て制作されているオープンワールドアドベンチャー『The Sinking City』の発売が控えている。地球を飛び出し、火星にて繰り広げられる『Moons of Madness』のコズミックホラーにも注目していきたい。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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