ゲーム実況者の『GTA SA』スピードランを、視聴者がチートで止める。カオスな企画が話題に

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PC版『Grand Theft Auto: San Andreas(グランド・セフト・オート・サンアンドレアス)』にて、Twitchのコメント欄に入力されたチートコードを有効化しながらスピードランに挑戦する、「Chat Cheat Any%(チャット欄チート有り、クリア率問わない)」という企画が実施された。このアクシデント必至の企画を実行したのは『GTA』シリーズ作品の条件付きスピードランに挑戦し続けている、米国在住のTwitchストリーマーHugo One氏。今回のような視聴者コメント欄とゲームをつなげる施策は、よりインタラクティブなコンテンツを届けるための試みのひとつであるという。

Hugo One氏が自身のYouTubeチャンネルに投稿しているスピードラン動画の多くは視聴回数10万回以下であるが、今回の企画は現時点で168万回と注目を集めており、海外メディアのKotakuもHugo One氏の企画を取り上げている。

 

いかにして阻むか、そして救うか

本作では、キーボード入力によりさまざまなチートを発動することができる。主人公CJを無敵にしたり、各種性能を変更したり、指名手配レベルを下げたり。乗物や武器を出現させたり、車両を爆発させたり、さらにはNPCを武装させたり暴動を起こさせたり、NPCを全員ギャングに置き換えたりといったカオスな展開を生み出せる。そんなやりたい放題のチート機能を視聴者の手に委ねた状態でスピードランを進めるという無謀な挑戦。当然アクシデントだらけで、最終的なクリア時間は約12時間となっている。本作における通常の「Any%」スピードラン最速記録は、speedrun.comに登録されているものでReset氏の3時間57分18秒。2位以降もここ1~2年に出た記録は4時間台であり、Hugo One氏の挑戦はチート妨害により相当なロスタイムが生じたことがわかる。

頻用されたのは、カーチェイス系のミッションなどで戦車やトラックを呼び出して、主人公CJの行く手を阻むというチート活用方法である。ほかにも航空機の操縦中に天候を砂嵐に変えたり、仲間NPCが乗車している車を爆発させてミッションを失敗させたり。逆に車両の飛行&高速化により止まれなくなったところで、目前に戦闘ヘリを出現させ、車両の勢いを止めて目的地付近に着陸させるというナイスセーブもあった。視聴者としては「いかにしてHugo One氏のスピードランを邪魔するか」だけでなく「チートに苦しむHugo One氏をいかに救うか」という楽しみ方もできるのが、この企画の妙味だろう。

目的地を通り過ぎてしまいそうになったところで戦闘ヘリを呼び出し、強制ストップをかけるという視聴者によるナイスセーブ。Image Credit: Hugo One YouTube Channel
車両爆発チート「ALLCARSGOBOOM」によりミッションを失敗させるという定番の妨害方法

これがただ視聴者によるチートコード入力を有効化するだけの企画であれば、さほど面白みはなかったはず。スピードラン挑戦という明確な目的があり、最速でクリアしようとするHugo One氏を視聴者が阻止する、もしくは手助けするという構図が生まれるからこそ、より娯楽性の高い企画に仕上がっているのではないだろうか。

なお視聴者がチートを有効化する際には、Hugo One氏のチャンネルで使用されているducketという通貨を消費する必要がある。氏の配信を視聴する、もしくは氏に寄付(Donation)することで入手できる通貨だ。そして必要なducket数はチートによって異なり、体力回復や無限弾薬といったCJを助けるチートは安く、車両の出現や爆発・市民NPCの武装や暴動、CJの自殺といった妨害用に使われるであろうチートは高額に設定されている。またチートのスパム防止のため、同じチートの使用は5分に1回(同一視聴者による同一チートの発動は10分に1回)という制限も設けられていた。こうしたルールや制限がなければ、おそらく企画として成立しないだろう。

 

チートは『GTA:SA』スピードランナーの天敵

昨年10月には、『GTA SA』のスピードランに挑戦していたLelReset氏が、手違いによりチートコードを入力してしまい、記録が無効になってしまうという事例が報じられた(Eurogamer)。こちらはHugo One氏とは異なり、チート無しのスピードラン挑戦中、挑戦者本人が意図せずチートコードを入力してしまうというアクシデントであった。

PC版『GTA SA』には「DDDDDDDAAAAAADWD」(天候変更)のように、キャラクター移動に使うWASDキーだけで発動できてしまうチートが存在することから、意図せぬチート入力に泣かされるという事例が古くから存在した。誤発動する確率が高いこともあって、スピードラン記録を管理しているspeedrun.comのフォーラムでも、キーボードのレイアウトを変更することが対策として提唱されていたほどだ。以下はWASDキー入力により誤ってチートを入力してしまったJoshimuz氏(2015年)と、lotsOfS氏の事故発生時の動画である。

こうしたスピードランナー泣かせの事故を何度も起こしてきた『GTA SA』。一方でHugo One氏の企画は、スピードランの天敵であるチートを、天敵として歓迎しつつ、Twitch配信における視聴者との交流要素として活用するという、事故誘発型のユーモラスな試みといえるだろう。

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