Steamで好評の個人開発FPS『Bright Memory』、エピソード1の成功を受けてフルタイム&チーム体制での開発に転身

Steamで好評の個人開発FPS『Bright Memory』の制作者が、エピソード1の成功を受けてフルタイム&チーム体制での開発に転身。今後はエピソード形式ではなく、『Bright Memory Infinite』という一本の作品として完成を目指していくという。

今年1月に『Bright Memory – Episode 1 / 光明记忆:第一章』をSteamにて配信した中国のデベロッパーFYQD-Studioは3月18日、同作の今後の販売プランを変更することを発表した。『Bright Memory』は当初、3つのエピソードに分割して配信する予定であったが、エピソード1の成功を受けて、『Bright Memory Infinite』という一本の作品として仕上げていくことにしたという。

『Bright Memory』はゲーム開発者Zeng Xiancheng氏がUnreal Engine 4を用いて、これまで単身で開発してきたFPS。1月に配信されたエピソード1は、1周1時間ほどで終わる短編ながら、さまざまなスキルや移動手段を用いて次々と敵を葬っていくアクション性の高さや、攻撃を重ねるごとにランクがあがっていくコンボシステムの導入など、エンターテインメント作品として高く評価された。Xiancheng氏ひとりで開発しているとは思えない品質の高さや、720円という手ごろ価格も、ユーザーが好評価を残す一因となっているだろう。

ほぼ無名タイトルとして始まりながらもリリース初期から注目を集め、同作のSteamユーザーレビュー件数は現時点で7000件近く。全体評価は「非常に好評」となっている。Xiancheng氏いわく、この予期せぬ成功により、エピソード1は開発を継続するためのクラウドファンディング的な役割を果たしてくれたという。そして今後は既存のエピソードを含めて、物語やレベルデザインを一から作り直すとのこと。配信中のエピソード1には、今後もいくつかの実験的な要素を付け足していきつつ、完成時には『Bright Memory Infinite』として正式リリースされる。すでにエピソード1を購入済みのプレイヤーは、正式リリース時にそのまま『Bright Memory Infinite』をプレイ可能。クリアまでに要する時間は、3エピソード構成時と同規模の3時間ほどになるとのことだ。

Xiancheng氏は今年1月、『Bright Memory』の開発は今後チーム体制で進めていくと伝えていた。また2月には、近いうちに本職として勤めている会社から退職し、フルタイムで本作の開発にあたると語っている(Steamアナウンスメント)。趣味からフルタイム、個人開発からチーム体制での開発へと変わり、開発ペースが速まることが期待できそうだ。

『Bright Memory Infinite』の舞台となるのは、超常現象が発生した2036年の近未来都市。「2つの世界」にまつわる謎を追うため、SRO(Super Nature Research Organization)という組織が調査部隊を送り込む、といった内容になる予定だという。一方で、現在配信されているエピソード1の舞台は2020年。主人公が所属するSROの正式名称も「Shelia of Natural Science Research Organization」と異なるように、『Bright Memory Infinite』はこれまでの構想とはやや違った設定および物語になりそうだ。

リリース時期に関しては未定ながら、PC版以外にもPlayStation/Xboxプラットフォームでの発売を予定しているとのこと。なおPC版はRTXレイトレーシング対応予定である。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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