『スーパーマリオ64』の「やみの せかいの クッパ」を“スティック”を使わずにクリアするプレイヤー現る。バク宙連発でクッパ撃破

Image Credit : pannenkoek2012

『スーパーマリオ64』の序盤のボスステージである「やみのせかいのクッパ」を、スティックを使用せず突破するプレイヤーが現れた。ツールを使っているものの、ゲームとステージへの深い理解をもって、難所を突破しクッパを撃破している。このチャンレジを成功させたのは、長年『スーパーマリオ64』を、理論と実践の両方の面で研究し続けているpannenkoek2012氏である。

あらためておさらいしておくと、『スーパーマリオ64』におけるスティックは、移動を意味する。そのスティックを使用しないということは、スティックによる移動や、方向転換などが不可能になる。パンチによる前方への加速とバック宙による後方移動。あらゆる手段を用いて移動するわけだ。

「スティック不使用」プレイは、方向転換ができないことにより、困難をもたらす。たとえば最初の移動する足場を渡った際には、渡った先が登ることのできない傾斜面であるがゆえに、ふたたびその足場に戻り、対岸にあらためて渡り直している。時には細い足場の“縁”をこするようにヒップドロップを連発し、方向を調整する。足場ギリギリでの方向調整をめぐる落下との駆け引きは、『スーパーマリオ64』を普通にプレイする際には、めったに見られないものだろう。

崖つかみ状態による方向の矯正、クリボーからの攻撃など、方向転換のバリエーションは多彩。特に、5分25秒頃に確認できる、斜めに移動することを求められた際のクリボーを使った方向調整は鮮やかなものだ。そして最終局面であるクッパとの死闘においては、一度炎攻撃を受けつつ、クッパが迫ってきたタイミングでバック宙を繰り出し、尻尾をつかむ。そのまま“クッパを回す”ことなく撃破した。

※ ノーカット版の映像

冒頭にも述べたとおり、今回のプレイはツールの使用をもって実現した。しかしながら、今回のような特殊プレイは、ただツールにまかせたり長く遊べばできるという類のものではなく、ゲームのメカニズムやステージの特性を把握しなければ、達成は難しい。pannenkoek2012氏は、取得不可能なコインについての研究や、ステージのクリアに必要な最小Aボタンプッシュ数を調査するなど、理論的なアプローチにより『スーパーマリオ64』を掘り下げ続けている。そんな氏だからこそ、実現したプレイであるといえるかもしれない。

なお、「やみのせかいのクッパ」に次ぐボスステージである「ほのおのうみのクッパ」においては、Aボタンを押さずにクリアするという試みがなされている。そのほか、目隠し状態でのプレイなど、多岐にわたる遊び方が続けられており、まだまだ新しい遊びが生み出されそうだ。