【UPDATE】『Anthem』宝箱やボス戦のファーミングを行っていた動画配信者が、ゲームから永久BANされる

『Anthem』にて宝箱やボス戦のファーミングを行っていたTwitch配信者のGladd氏が、ゲームから永久バンされた。『Anthem』ではストロングホールドのボス戦だけを繰り返すエクスプロイトや、特殊スキルを連続使用できるグリッチなどが報告されており(現在は修正済み)、それらの使用によりバンされたのではないかとGladd氏は語っている。

【UPDATE 2019/03/06 11:05】
『Anthem』のアカウントを永久BANされたGladd氏があらたに動画を公開。Electronic Arts/BioWareにコンタクトを取り話し合った結果、永久BANは取り消され、2週間のアカウント一時停止に減刑されたと語った。

BANされた理由は、Gladd氏が推測していた3つの行為のうちのひとつ、ストームの特殊スキル連続使用グリッチであった。利用規約違反であるため罰を受けることはやむを得ないと受け入れつつも、PvEゲームである本作において「チート行為は全てのプレイヤーに悪影響を及ぼす」「ゲームバランスを崩す」「ルールを守るプレイヤーのゲーム体験を損なう」というEAの説明に関しては納得できるものではないと、自身の考えを述べている。

またGladd氏は、開発者側で適切なコミュニケーションが図られていなかった可能性にも言及している。彼の主張としては、他配信者を介してストームの特殊スキルグリッチの使用を止めるよう開発陣から注意され、実際にそれを守ってグリッチの利用を止めていたものの、後日アカウントがBANされたという。Gladd氏がコンタクトを取った担当者からも、Gladd氏がBANされていたことを把握していなかったと説明されたことから、チーム内での情報伝達がうまくいっていないのではないかと指摘している。

Gladd氏はもともと『Destiny』シリーズのスピードラン挑戦者としても有名な人物。最短クリアを目指す上でグリッチを活用してきた。『Anthem』でも同様にスピードラン系のコンテンツづくりを計画していたが、ゲーム内で修正されずに残っているグリッチを活用することを、ここまで縛られるのであれば、本作ではそうしたコンテンツをつくることは難しいとも語っている。

 

【原文 2019/03/04 14:29】
『Destiny』シリーズのTwitch配信者として知られ、『Anthem』のストリーミングも行っていたGladdことSean Gallagher氏が、『Anthem』のゲームアカウントを永久バンされたと報告。Electronic Arts/BioWareから説明されたバン理由は、「ゲーム内エコノミーを乱すエクスプロイト行為」であった。

Gladd氏は今回のアカウントバンを受けて、以下の動画にてバンの原因になったと考え得る3つの行為を挙げている。フリープレイでの宝箱ファーミング、ストームの特殊スキル連続使用グリッチ、そしてボス戦ファーミングである。

ひとつ目の宝箱ファーミングとは、グランドマスター難易度のフリープレイにて、マップ上の宝箱をひたすら開けていくファーミング方法。マップ上の宝箱からもマスターワーク/レジェンダリー戦利品が出るため、敵と戦うことなく効率よく戦利品を集める方法としてコミュニティ内でシェアされていった。すぐに海外メディアでも取り上げられ広まっていったが、のちのアップデートによりドロップ率が調整されている。

この宝箱ファーミングについてGladd氏は、RPGやMMO系のゲームにおいてもっとも効率よくアイテムを収集する方法を探して周回するというのは普通の遊び方であり、そもそも宝箱を開けてまわる宝箱ファーミングはバグやエクスプロイト(悪用)の類のものでもないと指摘している。以下はGladd氏が公開した、宝箱のファーミング方法を紹介する動画。先述したとおり現在は高レアリティ品のドロップ率が下方修正されているため、有効なファーミング手段ではなくなっている。

ストームの特殊スキル連続使用グリッチは、特殊スキル発動中のアニメーションをスキップすることで通常よりもはるかに多くの回数、技を使用できるというものであった(こちらも修正済み)。Gladd氏は、グリッチの存在を指摘するため動画配信中にタイタン相手に使用したが、エクスプロイト目的では使用していないと述べている。

最後のボスファーミングについては、ゲームの歴史上さまざまな作品で同様の手段が発見・活用されてきたものであり、初代『Destiny』においても、同じストライクミッションの中でボス戦を繰り返すファーミング方法が存在したと説明。Gladd氏も初代『Destiny』の「不滅のマインド」ストライクにてボス撃破と自滅を繰り返すボスファーミングを活用していたが、『Destiny』においてはアカウントバンや警告を食らうことはなかったと述べている。

なお『Anthem』においてGladd氏が使用していたファーミング方法は、とあるストーリーミッションにてボス敵のドロップ品狙いで、ボス撃破および意図的なチーム全滅を繰り返す手法であり(これによりボスからアイテムがドロップするが、ゲームの進行はボス戦前からリスタートとなる)、短期間試したものの効率的ではなかったためすぐに辞めたと主張している。ただしGladd氏は動画にてグランドマスター2~3のストロングホールドでも活用したと手短に語っている。こちらについては、2月28日のアップデートで修正された、ストロングホールド「タイラントの坑道」のボス戦だけをリピートできてしまうファーミング手段を指していると考えられる。悪用の度合いで言えば、ストーリーミッションよりもこちらの方がはるかに上だろう。

※初代『Destiny』にて使用されていたボスファーミングの一例

Gladd氏は、宝箱ファーミングはそもそもバグや脆弱性を利用したエクスプロイトと言えるものではなく、残りの2つについても、いきなりの永久バンは行き過ぎた対応であるとの考えを示している。確かにバン理由が曖昧なため、具体的にどのような行為がバン対象と見なされたのかは不明である。この点について、Gladd氏は開発陣へのコンタクトを試みているとのことで、また続報があるかもしれない(該当ツイート)。

最近の事例としては、別のオンラインタイトル『Fallout 76』において、プレイヤーが保有するアイテムを複製できてしまう有名なバグが存在していた。そして今年2月、そうした複製されたと思わしきアイテムの一斉削除および不正行為者のアカウントバンを目的とした「春の大掃除」が実施された(関連記事)。『Anthem』においても、アカウントバンのリスクを背負いたくなければ、バグやエクスプロイトと思わしき行為からは身を遠ざけておくのが無難だろう。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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