『Fallout: New Vegas』の世界を、人工知能を用いて極彩に変貌させたユーザー現る。テクスチャやSEなどすべてごちゃまぜ
『Fallout: New Vegas』にて、ニューラルネットワークを用いて世界を表現するModが登場し、PC GamerやRock Paper Shotgunが報道。コミュニティ内でちょっとした話題を呼んでいる。作成したのは、Modder であるJam2go氏。「DeepStyle Retexture」と呼ばれるこのModは、『Fallout: New Vegas』におけるテクスチャを、DeepStyleニューラルネットワークにて生成されたテクスチャに置き換えてしまうものである。
DeepStyleは、Googleが開発した人工知能DeepDreamをベースにしており、もともとあった画像の要素を分離させ、そして再結合させることが可能。Deep Dreamといえば、対象の画像において、同人工知能が認識できるパターンを検知したのち、その部分を繰り返し表示する。悪夢のような画像を生成するという特徴があり、怖がられながらも話題を呼んだ。このModには、そうしたアルゴリズムが導入されており、それを『Fallout: New Vegas』のテクスチャに適用させるという、かなり変わったプロジェクトなのである。
では、このModを導入するとどうなるのかというと、結論からいうと『Fallout: New Vegas』の世界が極彩になる。ゲーム内に存在するテクスチャはすべてModにより張り替えられており、不規則なパターンや色が並ぶ。地面やオブジェクト、人。空とて例外ではない。すべての表面がDeepStyleによって張り替えられている。映像を一目見れば、その異様さはすぐに把握できるだろう。
「悪夢をつくる」コンセプトに違わず、リテクスチャによりなかなかに混沌な世界を作り上げたわけだが、さらなる混沌を求めるJam2go氏はこれに飽き足らず、ゲーム内に存在するテキストラインやサウンドエフェクトなどもランダムにシャッフル。ラジオをつけるとクエスト中に聞くはずのNPCのセリフや犬の鳴き声などが流れてくる始末。かろうじてゲームを進行させることは可能であるが、多くの人が知る『Fallout: New Vegas』とは異なる奇妙な世界が広がっているのだ。
氏は昨年8月には『The Elder Scrolls V: Skyrim』向けにも、DeepDreamを用いたリテクスチャMod「Deepdream Retexture」を制作およびリリースしていた。馴染みあるファンタジー世界をサイケ空間へと変貌させ、多くの人々を慄かせた人物である。「DeepStyle Retexture」は、より洗練された混沌の実現を成功させている印象だ。極彩世界での冒険に旅立ちたい方は、ぜひ同Modを導入してみてはいかがだろうか。