『Anthem』英国パッケージ版の初週売上は『Destiny 2』の4分の1以下。セールスと評価の両方で立ち上がりに苦しむ
UKIE/GfKが、イギリスのパッケージソフトを対象とした、2019年2月23日付けの週間チャートを公開した。同週発売されたElectronic Arts/BioWareの新作アクションRPG『Anthem(アンセム)』は初週1位にランクイン(GfK)。先週リリースされた『メトロ エクソダス』『ファークライ ニュードーン』を上回る初週売上ではあるが、2019年1月に発売された他の大作『キングダムハーツ3』や『バイオハザードRE:2』よりも低く、BioWareが2017年3月にリリースした『Mass Effect: Andromeda』の半分の数字だという(Eurogamer)。『Anthem』と比較されがちな2017年発売の『Destiny 2』と比べると、25%の売上にとどまっている。
『Mass Effect: Andromeda』の英国パッケージ版の月間売上は初月4位。『Destiny 2』は初月2位と好調であった。『Anthem』はそれらのタイトルとは違い新規IPであることや、業界全体としてパッケージ版の販売比率が年々落ちてきていることも加味せねばならないが、少なくとも上述したような今年発売のヒット作ほどの好調ぶりは見せていないようだ。ちなみに同じく新規IPとしてスタートした初代『Destiny』との比較では、わずか10%のパッケージ版売上となっている。『ディビジョン』含め、「ルートシューター(Loot Shooter)と呼ばれるジャンルの中では、かなりの低速スタートを切っていると思われる。
『Anthem』はオープンベータテストの段階で技術的な不具合やトラブルに悩まされ、発売後もBioWareらしからぬ単調な物語やクエスト内容の幅の狭さ、ロード時間の長さ、クエスト進行不可となる不備、エンドコンテンツ不足、装備品のドロップ率やランダムロールの仕様など、さまざまな要素が問題視され、メディア、ストリーマー、個人レビュアー、ユーザーの各方面から批判を浴びている。レビュー集積サイトMetacriticにおけるメタスコアは60点、ユーザースコアは4.3/10点と芳しくない。そうした評価や口コミもセールスに影響してきているだろう。
前週に初登場1位を記録した『ファークライ ニュードーン』は2週目2位。『メトロ エクソダス』は4位に位置している。このように2月に入ってから大作のリリースが続いているが、それらの多くは低評価を受けており、『JUMP FORCE』はメタスコア61点・ユーザースコア4.5点、『ファークライ ニュードーン』はメタスコア73点・ユーザースコア3.1点、『Crackdown 3』はメタスコア57点・ユーザースコア2.9点。いずれもユーザー評価がかなり低い。そうした同時期にリリースされた作品と並べると、『Anthem』の評価は極端に悪いわけではないが、好調なスタートとは言いづらい。なお、2月の目玉タイトルが低評価だったわけではなく、例えば『メトロ エクソダス』はメタスコア84点、ユーザースコア6.5点と手堅い数字を残している。
パッケージ版英国チャートのトップ10は以下のとおり:
- 『Anthem』
- 『ファークライ ニュードーン』
- 『FIFA 19』
- 『レッド・デッド・リデンプション2』
- 『メトロ エクソダス』
- 『Forza Horizon 4』
- 『NewスーパーマリオブラザーズU デラックス』
- 『マリオカート8デラックス』
- 『Call of Duty: Black Ops 4』
- 『大乱闘スマッシュブラザーズSPECIAL』