『メトロ エクソダス』発売中止となったSteam版のユーザーレビューが「非常に好評」。10日間で2000件以上の好評集まる

『メトロ エクソダス』はSteamでの販売が中止になったにも関わらず、Steamページには2500件以上ものユーザーレビューが投稿されており、そのうち85%が好評価となっている。『メトロ エクソダス』は発売直前にEpic Gamesストア時限独占販売が発表されていた。

PC版『メトロエクソダス』は、リリース直前のタイミングで配信プラットフォームがSteamからEpic Gamesストアに変更(1年間の時限独占)。Steamで販売されているシリーズ過去作品『Metro 2033』『Metro Last Light』のストアページが、抗議のためユーザーが一斉にネガティブレビューを投稿するレビュー爆撃を受けるほどの反響を呼んだ(関連記事)。

不穏な状態のまま215日のローンチを迎えることとなった『メトロ エクソダス』であるが、蓋を開けてみると、販売中止となったSteamストアには10日間で2500件以上のユーザーレビューが投稿されている。そのうち85%が好評価を付け、「非常に好評」のステータスを獲得するに至った。本作は現在Steamでは配信されていないが、予約購入者向けにはSteamを通してゲームが配信されている。ストアから削除される以前、すなわち発売の数週間以上前から予約していたコアなファン層が、積極的にレビューを残していっていると考えられるだろう。なお本件を取り上げた海外メディアのEurogamerはこの現象について、「Steamストアで好評価を付けることで、間接的にEpic Gamesストアにレビュー爆撃しているかのようだ」と表現している。

『メトロ エクソダス』Steamページ

『メトロ エクソダス』は、作家ドミトリー・グルホフスキーの小説「Metro」三部作を原作とした、ポスト・アポカリプスFPSのシリーズ最新作。これまで核戦争後のロシア・モスクワにて、地下鉄内(メトロ)での暮らしを余儀なくされた主人公アルチョムたちであったが、新作ではメトロを飛び出し、蒸気機関車オーロラ号に乗り、安住の地を求めてロシア各地を巡る旅に出る。凍てついたモスクワの街から世紀末的な砂漠、不気味な峡谷地帯など、廃れつつも美しさ輝くポスト・アポカリプス世界がプレイヤーの目を奪う。

オーロラ号内で平和なひと時を過ごすアルチョムの家族と仲間たち。旅先で出会う奇怪な集団や地上の住民との交流。広いステージ内を好きな場所から探索できる準オープンワールド形式や、ダイナミックな昼夜サイクルの採用。武器・アイテムのクラフト&カスタマイズシステムなど、過去作よりも自由度が高く、広がりのある冒険が待っている。グラフィックの進化や新要素の導入など、過去作に比べてスケールが大きく挑戦的なプロジェクトになっているが、シリーズファンの心はしっかりと掴んでいる。Steamに投稿されているユーザーレビューには、SteamからEpic Gamesストアへの突然の販売先変更を批判しつつも、ゲーム自体は優れているとの理由から好評価をつけているものが多数見られる。

なおEpic Gamesストアには現時点ではユーザーレビュー機能が実装されておらず、将来的にレビューシステムを導入する予定であること、開発者が同機能を利用するか自由に選択できるオプトイン方式が検討されていることが報じられている(関連記事)。ゆえに現時点でPC版の購入を検討しているユーザーが、他のユーザーによる評価を知りたい場合には、Epic Gamesストアではなく、各種フォーラムやredditDiscordなどのコミュニティ、レビュー動画・記事など外部サイトから情報を仕入れることになる。本作の販売が中止されたSteamも、ゲームこそ購入できないが、ユーザーレビューについては参考情報の一部として活用できそうだ。

PC版『メトロ エクソダス』のEpic Gamesストア独占配信期間は1年。いつの日にかSteamストアでの販売が再開された際には、何千もの好評価がついた状態でSteamユーザーの目に届くことになる。それはEpic Gamesストア版の購入を控えていたユーザーが食指を動かす後押しとなることだろう。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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