謎に包まれた新作『Chernobylite』のゲーム内容が判明。30年前に恋人を失う原因となった「原発事故」を調査するサバイバルホラーに

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ポーランドのゲームスタジオThe Farm 51は、『Chernobylite』のアナウンストレイラーを公開し、同作のゲーム内容を明らかにした。『Chernobylite』は、昨年4月に発表されたホラーゲームだ。「チェルノブイリ」の立入禁止区域がテーマであることと、イメージイラストが公開されたのみで、謎に包まれた新作であったが(関連記事)、今回そのゲーム内容が判明している。

今から30年以上前。1986年4月にウクライナのチェルノブイリの原子力発電所にて大規模な原発事故が発生した。その事故は、35万人もの命を奪っていってしまった。主人公は当時、施設にて熱心に働いていた物理学者。主人公にとって最愛の人である恋人の命もまた、原発事故によって奪われてしまった。それから30年経ち、主人公は、未だに最愛の人の喪失という過去の悪夢にうなされている。そして過去の問題と再び向き合う決意を抱き、「立入禁止区域」と化したチェルノブイリへと向かったのだ。

『Chernobylite』は、Sci-Fi要素が含められたサバイバルホラーゲーム。不穏な空気が充満するチェルノブイリの立入禁止区域を探索する。アイテムをクラフトしつつ、時に武器に手を取り、危険な地域を生き抜く。地域内にはStalkerと呼ばれる存在が徘徊しており、彼らとは時に対峙し、時に協力する。しかしどの、Stalkerも隠し事をしており、完全には“信用できない”存在であるようだ。かつての姿とは変わり果てたチェルノブイリ原子力発電所で、正気を保ち、決断力をもって、過去の事件解明を務めることが求められる。

地域内ではStalkerだけでなく超常現象も主人公にとって脅威となる。施設をうろつく謎の生命体も、障害になるだろう。そうした場所を探索するには、身を護るものが必要だ。そのためにギアと武器を揃えていこう。物理学者としての科学の知識が、クラフトに大きく関わってくるという。本作は、一本道“ではない”、いわゆるノンリニア型のストーリーテリングが特徴のひとつ。さまざまなチャレンジが用意されており、それらをこなし装備を整えていく。そして、洗練された環境/物質分析ツールを用いて原子力発電所を調査し、データの収集を進めるのだ。

『Chernobylite』は、Unreal Engine 4で開発されている。本作の開発を発表するずいぶん前から、長い時間をかけてチェルノブイリ立入禁止区域にて調査をおこない、同地区で起こった惨事をテーマとした究極のサバイバルホラー体験を描くための資料集めをおこなってきたそうだ。愛をまじえたシナリオと没入感の高い恐怖体験をもたらすことを目指しており、本作では実際のチェルノブイリの資料を使い、美しくもおぞましい立入禁止区域の様子が3Dでスキャン&レンダリングされるという。「今まで訪れたことのないチェルノブイリの世界を実現する」という意気込みからも、そのこだわりの姿勢がうかがえるだろう。

The Farm 51は『GET EVEN』を手がけ、現在『World War 3』の早期アクセス販売をおこなうなど、さまざまな実績を持つ。なお本作の開発は『GET EVEN』のチームが担当することから、『World War 3』の開発に影響は出ないとのこと(PC Gamer)。またFarm 51は、チェルノブイリやプリピャチを探索するVRドキュメンタリー作品『Chernobyl VR Project』を2016年にリリースしていた。写真素材などからゲーム空間を構築する最新技術「フォトグラメトリ」を採用し作られた教育目的のタイトルとなっており、VRにてチェルノブイリやプリピャチの街の様子を再現した。本作の世界観構築には、そうした膨大な資料が生かされていることだろう。

『Chernobylite』は、2019年秋発売予定。Steamストアページも公開されており、いよいよ本格的な情報公開が始まった本作に期待を寄せたい。

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