CDPRと『ウィッチャー』原作者のロイヤリティをめぐる衝突は収束か。和解に向かっているとの現地報道

ポーランドの現地メディアPuls Biznesuは1月30日、CD PROJEKT RED(CDPR)と『The Witcher(以下、ウィッチャー)』シリーズ原作者のAndrzej Sapkowski氏が和解に近付いていると報道した。その内容を、Wccftechが引用している。

この問題は、『ウィッチャー』シリーズの原作者Andrzej Sapkowski氏が昨年10月、弁護士を通じて『ウィッチャー』シリーズのビデオゲームを手がけて販売するCDPRに対し、さらなるロイヤリティ(約18億円)の支払いを求めたことが発端である(詳細記事)。Sapkowski氏は過去に、ゲームの『ウィッチャー』が大きな成功を収めるとは予期しておらず、CDPRと契約を結ぶ際、売上額に比例したロイヤリティではなく即金の報酬(100万円程度)を求めたという失敗談を明かしていた(Eurogamer)。

ファンにとってはあまりに有名な談話であり、本人も自虐的に語っていたものの、昨年から状況が急変。氏は、法律を引用し、あまりにもロイヤリティが低すぎるとし、さらにCDPRの契約はゲームシリーズの第一作のみ有効であったと主張。補償額を“低く見積もった上で” 6000万ポーランド・ズロチ(約18億円)を求めていた。一方でCDPRはSapkowski氏の見積額には根拠がないと反論しながらも、氏と友好的な関係を維持するために尽力していくとプレスリリースを介して語っていた。

コミュニティでは、『ウィッチャー』シリーズをここまで魅力的なフランチャイズにしたという点で断然CDPRを擁護する意見が多いほか、「ミストボーン」などを執筆したファンタジー/SF作家であるBrandon Sanderson氏は、自身のゲーム化タイトルがヒットに恵まれていないことを受けてか、「CDPRはIPをあげたいくらい素晴らしいスタジオ」と称賛。同情的な声も散見されるものの、一度契約を結んだにも関わらず、さらなるロイヤリティを求めるSapkowski氏の決断に懐疑的な声が集まっていた。

ゲームの今後が不安視される中、Puls Biznesuの報道によって事態は良い方向へ進んでいることが判明したことになる。現地報道によれば、CDPRとSapkowski氏は、非公式ながら友好的な合意に落ち着きそうであるという。CDPRは、求められていた額(約18億円)よりも遥かに低いものの、Sapkowski氏に対しさらなる補償金を提示。この補償金は、氏の仕事に対する評価であると同時に、氏と良好な関係を維持していくためのものであるようだ。

CDPRといえば、現在『サイバーパンク2077』を開発中。ワルシャワなどに新スタジオを構えている。アートディレクターであるSebastian Stępień氏が退社したことを現地メディアに問われた際に、投資家向けの広報ディレクターであるKarolina Gnaś氏は、Stępień氏の退社による影響を否定し、同作に携わるスタッフが400名を超えていることを明かしていた(Stackwatch.pl)。それほど『サイバーパンク2077』にフォーカスしているのだろう。

とはいえ、昨年には関連作『奪われし玉座:ウィッチャーテイルズ』を正式リリースするなど、CDPRは『ウィッチャー』のIPとともに成長してきた会社である。原作者であるSapkowski氏と和解に至れば、スタジオにとってもファンにとっても一安心になるのではないか。2018年3月時点で、シリーズ累計3300万本以上の売り上げを誇る、世界的フランチャイズとなった『ウィッチャー』シリーズ。スタジオと原作者の早期の和解が待たれるところだ。

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