『Praey for the Gods』Steam早期アクセス配信開始。『ゼルダの伝説 BotW』と『ワンダと巨像』から強く影響受ける極寒オープンワールド


インディースタジオNo Matter Studiosは2月1日、『Praey for the Gods』をSteam早期アクセス配信開始した。定価は3090円で、2月8日までは15%オフの2626円で購入できる。ゲームは、日本語に対応している(後述するが、多少難あり)。早期アクセス期間は半年から1年を予定しており、のちにはPS4/Xbox One版のリリースも予定されている。ゲームの開発エンジンは、Unity。

『Praey for the Gods』は、オープンワールド型のサバイバルアクションゲームである。舞台のなるのは、雪で覆われた極寒の世界。この世界は、いつからか冬が終わらなくなってしまい、人々も消えてしまった。そこに残ったのは、野生生物と奇妙なミニオン、そして謎の巨人である。主人公は、この現状を打破するため、冬が終わらない理由を探す旅をするのだ。

本作では、世界に生息する不気味な巨人を倒すという主目的を果たすため、極寒の地を旅する。コンセプトは『ワンダと巨像』を思わせるが、結論からいうとゲーム内容もかなり“ワンダと巨像”である。『Praey for the Gods』プレイ開始直後に出てくる巨人は、完全に“同作のソレ”である。巨人が攻撃した際に毛をつかまりあたままでのぼり、背中にしがみつきつつも攻撃する。もちろん、いくらかの差異はあるが、巨人戦においてはそのままといえるほど類似している。

一方で、巨人戦以外のゲームプレイは『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』に近い。スタミナのシステムやスタミナを管理するインターフェース、ゲームプレイは明らかに同作から影響を受けている。「あらゆる山に登れる」という本作では、さまざまな場所にしがみつき、スタミナが許す限りのぼり続けることが可能。グライダーを使えば、遠くまで飛んでいくこともできる。武器は消耗品であり、使っていくと消えてしまうというシステムも。フィールドにはさまざまな敵が存在するので、武器を調達しながら、冒険を進めていくことになるだろう。

『Praey for the Gods』では、極寒の世界が舞台ということもあり、サバイバル要素が導入されている。具体的にいうと「空腹」「寒暖」「睡眠」の3つ。フィールドにある木の実や野草を集め、野生動物を狩る。そうした素材を調理することで腹が満たされる。あまり寒いところで探索していたり、豪雪の中動き続けると体温が低下し、ダメージを受けるので、時折暖を取って休む必要もある。睡眠については、説明不要だろう。いずれの行動も、洞窟などのキャンプにておこなうことが可能。クラフトをすることでアイテムを作り出したり、素材を使い武具を強化するといった要素もあり。こうした要素が存在することにより、フィールドで素材を見つける楽しさが増幅されている。

序盤を遊んだ限りでは、『Praey for the Gods』は『ワンダと巨像』と『ゼルダの伝説 ブレスオブ ザ ワイルド』を混ぜて割ったような作品という印象が強い。ただし、本作の開発スタッフは3名であり、あくまでインディーベースである。大作と呼ばれる両作のスケールを期待すると間違いなく肩透かしを食らうだろう。

とはいえ、早期アクセス配信開始以前から長きにわたりアルファ/ベータを重ねてきたこともあり、現時点でもそれなりに出来上がった状態だ。プロトタイプに毛が生えたものを焦って販売開始したという印象は全くない。日本語については「攻める(おそらくattack)「使い(おそらくuse)」など、基本的なアクションの言葉がきちんと訳されてない点が気になるが、ゲーム内にはテキストがほとんど登場しないので、プレイする上での障害にはならないかもしれない。

あくまで早期アクセスタイトルであり、今後洗練されていく可能性が高いゆえに、評価を下すことが時期尚早。ただ、傑作をコピーしているということもあり、少し遊んだだけでもポテンシャルと完成度を感じさせる出来となっている(Steamレビューも『ワンダと巨像』に似ているという理由での高評価多数)。早期アクセス版であるが、ゲームをクリアすることも可能。今後コンテンツは追加されていくという。少人数体制で開発を進め、ボリュームをどこまで増やせるのか。そしてどこまで“オリジナリティ”を出せるのか。『Praey for the Gods』の今後の開発に期待がかかる。