Facebookが『GRIS』の広告掲載を却下した理由を説明。ゲーム画像ではなく広告リンク先にある裸体や男性器イラストが原因か

 

Facebookがアクションアドベンチャーゲーム『GRIS』の広告掲載を却下した理由は、同作の画像・動画ではなく、広告に含まれていたInstagramページへのリンク先にあるコンテンツにあることが分かった。

先日、ゲームパブリッシャーDevolver Digital(以下、Devolver)は、同社が販売する『GRIS』の広告掲載がFacebookより却下されたとツイッター上で発言(関連記事)。Facebookから提示された却下理由について、広告に使用された『GRIS』のローンチトレイラーに性的なものを想起させる表現が含まれているからであると説明していた。『GRIS』は全年齢対象のレーティング区分で販売されている作品。DevolverはFacebookの判断について「ばかげている」「そもそも彼女は彫像であり、さらにいえば画像はまったくヌードには見えない。ふつうの人であればこれを“性的コンテンツ”とはみなさないだろう」と憤りをあらわにしていた。

この一件を受けて各種メディアがFacebookに問い合わせを行っており、Devolverのツイート投稿から数日が経った今、そのレスポンスが各所で報じられ始めている。VarietyPolygonなどに同様の回答文が寄せられており、それらによると、まず『GRIS』の広告がFacebookの審査に通らなかった原因は、同作のローンチトレイラーではないとのこと。同広告にはゲームの販売元であるDevolver DigitalのInstagramページへのリンクが含まれており、そちらのページに含まれているイメージが、Facebookのヌードコンテンツに関する規定に反するため、掲載却下という判断に至ったと説明されている。

Facebook側は同社の広告審査プロセスについても説明している。多くの場合は広告が提出されてから24時間以内に審査が始まり、審査対象として広告の画像、テキスト、ターゲティング、ポジショニング、そして広告リンクのランディングページを確認しているとのと。今回はその広告リンクのランディングページにあるコンテンツが理由で審査に引っかかったわけだ。

リンク先のどのイメージが規定違反とみなされたのか、という具体的な内容までは明示されていないが、DevolverのInstagramページには同社が販売する複数タイトルのスクリーンショットが投稿されている。セクシャルな表現という点で該当するのは、裸体の男性の後ろ姿が写っている『SCUM』や、男性器同士の乱交アクション『Genital Jousting』の画像だと思われる。以下はDevolverのInstagramページに投稿されている画像の例である。

 

なお広告を却下されたDevolverは先日、Facebook上のユーザー投稿には『GRIS』以上に明確なヌードイラストが含まれていると指摘していたが、この点に関してFacebookは、同サイトのユーザー投稿と広告では基準が異なり、後者についてはより厳しい基準になっていると説明している。露骨な性的表現はもちろんのこと、ヌードおよびヌードを暗示するもの、過度な露出、胸元や臀部を強調した画像なども、仮にそれらが性的な表現を意図したわけではなくとも、広告基準上は禁止されている。そうした基準と照らし合わせてみると、上述したようなInstagram画像がポリシー違反とみなされたとしても不思議ではないだろう。

Facebookによると、現在は広告の問題点を明確にすべく、Devolverとのコミュニケーションを進めているとのこと。当初は性的コンテンツとは考えにくい作品の表現がFacebookによって却下されるという、有名サイトが異様な判断を下した事例として話題となった。しかしながら、今回の審査内容の説明により、その理由はある程度は納得いくものになったのではないだろうか。