BungieとActivisionが決別し、パートナー契約を解消。『Destiny 2』は今後Bungieが自ら販売へ

 

ActivisionとBungieは本日1月11日、8年にもわたるパートナー契約を解消すると発表した。『Destiny』シリーズのフランチャイズの権利はBungieに渡り、同社が今後『Destiny 2』を販売していくという。Activisionは、今後はそのほかの自社IPやIP育成に努めていくとのこと。なお、Activisionは『Destiny 2』の運営については、現在はまだ移行の初期段階ながら、ActivisionからBungieへのスムーズな移管が進めると公言。引き続き世界中のファンがそのままシリーズを快適に遊べるよう、協力していくとのこと。PC版のランチャーであるBattle.netのサポートも今後続けられるという。

またBungieも声明を出している。8年間にわたり『Destiny』シリーズの開発と運営をサポートし続けたActivisionに感謝を示し、さらにコミュニティに対しても感謝を述べている。一方で『Destiny 2』については、「孤独と影」に引き続きコンテンツ提供を計画中だという。数か月以内に新たな発表をし、ロードマップをユーザーに公開していくとしている。セルフパブリッシングという道は簡単ではないと語りつつも、『Destiny』シリーズに眠る可能性を拡張していくことを決意し、声明を締めた。この発表には、Xboxの担当者であるマイクロソフトのXbox事業を率いるPhil Spencer氏やPlayStation公式アカウントを含めた多くの著名人が祝福をおくっている

『Destiny 2』の売り上げについては、Activisionはたびたび期待に沿うものではないことを示唆しており、たとえば昨年9月に配信された『Destiny 2』の大型拡張コンテンツ「孤独と影」が、Activision Blizzardが想定していたほどの結果を残せなかったと説明している(関連記事)。PS4版の9月フリープレイ開放やPC版の無料配布などでユーザーベースを増加させる試みを続けていたものの、最終的にActivisionはIPそのものを手放すという決断に至ったようだ。

『Destiny 2』は、幅広い層に訴求するため、前作『Destiny』からゲームシステムの簡略化を試みたものの、前作のファンが求めていた、長く遊び続けられるゲームとしてはうまく機能していなかった。ただし一方で『Destiny』シリーズのポテンシャルを評価する声は根強く、「惜しいゲーム」という認識は浸透していただろう。そして、Activisionの発表ツイートには、Bungieのパートナー契約の解消を喜ぶリプライが大量に寄せられている。ActivisionがシリーズとBungieのポテンシャルを生かせていなかったと認識しているファンは少なくないようだ。

Bungieといえば、昨年6月に『荒野行動』などをリリースする中国の大手ゲームパブリッシャーNetEaseと契約を結び1億ドル(約110億円)の出資を受けたことが明らかになっていた。同パートナー契約について、BungieのCEOであるPete Parsons氏は、金銭面だけでなく、NetEaseが持つ専門的知識を持ち込んだり、アイデアを共有することで新しいアイデアを生み出すことを狙いがあると語っていた。『Destiny』シリーズとは別の新作を生み出すために動いていると考えられるだろう。

パートナー契約の解消を受け、ポジティブ反応に包まれているBungieと『Destiny』シリーズ。同社とシリーズの発展に期待したいところだ。