『PUBG』にて、多数のチーターがBANされる。チーターの中には、“プロプレイヤー”も含まれていた

PUBG Corporationは、本作における不正プログラムへの対応について報告。数多くのチーターをBANしてきたが、調査の結果、プロプレイヤーまでもがチート行為に手を染めていたことが明らかになってきた。

バトルロイヤルゲーム『PLAYERUNKNOWN’S BATTLEGROUNDS』(以下、PUBG)の開発元PUBG Corporationは昨年12月、本作における不正プログラムへの対応について報告。その中で、アンチチート対策機能や不正ユーザーへの処置の改善、また技術的対策の強化などについて説明した。本作においては、昨年10月時点で累計1300万人以上ものチーターがBANされたと報告されている(関連記事)。同社はこの取り組みをさらに強化した上で継続しており、その結果、プロプレイヤーまでもがチート行為に手を染めていたことが明らかになってきた。

PUBG Corporationは昨年12月19日から、『PUBG』の現役プロプレイヤーについて全世界的な調査を開始している。その目的は、現在開催中のNational PUBG League Preseasonを前に、チート行為をおこなっていたプロプレイヤーを排除するためだ。そして、『PUBG』のeSports情報を扱う公式Twitterアカウントにて、BANされたプロプレイヤーのアカウント名を公表することを開始。これまでに17名が処分を受けており、たとえば1月7日に公表されたリストの中には、Pittsburgh Knights所属のTEXQS選手や、Red Diamonds所属のS1D選手などが含まれていた(両選手ともすでに除籍)。

処分を受けたプロプレイヤーの中には、一般ユーザーとの対戦中だけでなく、プロとして参戦したオンラインの試合でもチート行為をはたらいていたとのこと。具体的なチートの内容については明らかにされておらず「Unauthorized program(不正プログラム)」を使用したとされているのみだが、YouTuberのwtfmoses氏は、PUBG Corporationはこれまで検出できていなかったいわゆるRadar Hackの対策に成功したのではないかと指摘している。Radar Hackとは、すべてのプレイヤーや武器、車両などの位置をマップ上にリアルタイムで表示するチートツールのこと。VPNを用いてサーバーに送られるデータパケットを解析して位置情報を得ており、ゲームデータを直接改変しないため検出は難しいとされている。

また、本作にはフィードバック報告システムが昨年実装され、プレイヤーが他者の不正行為を報告できるようになっている。この機能を通じては昨年11月末時点で約1億件以上の報告が寄せられていたそうで、精査のうえアカウントの永久停止処分などが下されている。こうした同社のチート対策の強化により多くのチーターがBANされ、その中から少なくない数のプロプレイヤーがあぶり出されたのだろう。

*『CS:GO』でもプロ選手のチート行為が昨年発覚。大胆にもオフライン大会の中でおこなわれ、試合を中断しての調査が入った。

PUBG CorporationのeSports担当チームは、一般ユーザーとの対戦にてチート行為をおこなったプロプレイヤーには2年間の試合出場停止処分とし、プロの試合でもチート行為をおこなっていた者には3年間の出場停止を課した。このプロの試合にはPUBG Europe Leagueの予選が含まれており、プロチームSans domicile fixeではチート行為をおこなった所属選手だけでなく、そのチート行為を知りながら報告しなかったチームメイトまでもが処分対象となっている。

一緒に対戦するプレイヤーにとっては、チーターがプロプレイヤーか否かは大きな問題ではないかもしれないが、プロシーンにとってはこれだけ多くの選手がチート行為をおこなっていたことは衝撃だろう。PUBG Corporationは、今後も『PUBG』の公式大会の前にはすべての参加選手のアカウントを調査する方針で、不正プログラムを使用した形跡が認められた場合は、出場停止処分を科す厳しい態度で臨むことを表明している。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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