独裁者シミュレーション『トロピコ6』PC版の発売が3月に延期。Kalypsoのトップが、現時点でのクオリティに満足できず
パブリッシャーKalypso Mediaは1月8日、PC版『トロピコ6』を延期すると発表した。PC版は現地時間1月25日の発売が予定されていたが、3月29日へと変更されている。コンソール版についてはアナウンスがないことから、従来どおり2019年第2四半期に発売されると思われる。返金についても対応するほか、日本時間1月11日3時までに同作を予約したユーザーは、2019年の第2四半期にリリース予定のDLCを無料で受け取れるという。
Kalypso Media の共同設立者であるSimon Hellwig氏は、『トロピコ』シリーズのファンとして『トロピコ6』を長時間遊んできた上で、同作は良いゲームではあるが、傑出したゲームではなく、まだ十分ではないとコメント。自身の意見と数千ものファンのフィードバックを踏まえた上で延期を決断したと、予約者を中心としたファンに謝罪している。今後は3月のリリースまで、コミュニティにより大量に寄せられた各要素の強化やゲームプレイのバランス調整を進めていくとのこと。昨年9月に予約者を対象としたベータが実施されており、ユーザーのフィードバックを受けながら開発が進められていたが、それらを反映させるには時間が足りないというのも、今回の延期の背景のひとつとしてあったようだ。
『トロピコ6』は、独裁者として島国を運営するシミュレーションゲーム最新作。プレイヤーはプレジデンテ(大統領)となり、4つの時代を通じて統治をする。道路を敷いたりライフラインを築くといったインフラ整備から、産業・事業の開発・発展などを進め経済を発展させる。時には、法律を制定することも。『トロピコ』シリーズにおいては、舞台となるのは「街」ではなく「島国」となっているほか、独裁的な政治を展開できることを特色とする。強引な法律を制定して島民から税金を搾取したり、大統領選挙で不正をおこなったり、暗殺機関と連結して反乱分子を弾圧したり。自らの手を汚しながら、大統領選挙の地位を守るのだ。
『トロピコ6』においては、開発元が第三作目からシリーズ制作を担当したHaemimont GamesからLimbic Entertainmentにバトンタッチ。Unreal Engine 4を採用しているなど、新しいことづくめである。人気シリーズながらも、第三作目以降評価が下降傾向にあるシリーズを、リブートしようというメッセージが込められているのだろう。ゲーム内容は、これまでのシリーズの流れを汲みつつ、群島システムを導入することでスケールを拡大。経済や交通などを複雑化させつつ、選挙スピーチといったシリーズの人気要素を復活させている。対戦・協力型マルチプレイは今回も実装されている。
なお『トロピコ6』のSteamストアページには日本語対応表記がないものの、Kalypso MediaのコミュニティマネージャーであるUnerde氏は、Steamコミュニティにて日本語に対応予定であるとしている。