Paradoxが人気刑務所運営シミュ『Prison Architect』のIPを買収。「Architect」フランチャイズの新作開発も視野に

Paradox Interactiveが『Prison Architect』のIPを買収した。『Prison Architect』はIntroversion Softwareが開発した刑務所運営シミュレーションゲーム。今後のアップデートおよびIP展開はParadoxが担うことになる。

Paradox Interactive(以下、Paradox)は1月8日、Introversion Softwareが開発/販売する刑務所運営シミュレーションゲーム『Prison Architect(プリズン・アーキテクト)』のIPを獲得したことを発表した。今後はParadoxが、同フランチャイズのIP、各種プラットフォームでの販売、アセットの所有権を保有。ゲームのアップデートもParadoxが担当する。また「Architect」IPとしてのさらなるフランチャイズ拡大も検討するとのことだ。

『Prison Architect』は刑務所を建設し、受刑者を受け入れるために設備・人員を整えていく2Dの刑務所運営シミュレーションゲーム。受刑者たちの多岐にわたる要求を管理しつつ、刑務所ならではのさまざまな難題に直面しながら、資金を貯めて施設拡大を目指していく。

※2018年8月に公開されたNintendo Switch版トレイラー

本作が発表されたのは2011年のこと。そこから2012年にアルファ版が登場し、Steam早期アクセス期間を経て2015年10月に正式リリースを迎えた。今ではPCだけでなくPlayStation 4/Xbox 360/Xbox One/Nintendo Switch/iOS/Androidと複数のプラットフォームに移植されており、売上本数は200万本以上。施設運営シミュレーションゲームの定番タイトルとして浸透しつつある。昨年には、PC版に最大8人で遊べるオンラインマルチプレイが実装されており、ゲームとしての可能性は拡張され続けている。

ParadoxとIntroversion Softwareは2017年から『Prison Architect: Mobile』で協力し始め、関係を築きあげていった。『Prison Architect』を開発したIntroversion Softwareの共同創設者Mark Morris氏は今回の報道を受けて、「私たちは、この建設&運営ゲームの開発&運営を10年近く続けてきました。私たちができることは、ほとんどやりつくしました。Paradoxのようなチームが、次なるステップとして本作をどこに持っていくのか、楽しみにしております」とコメントしている。Introversion Softwareの今後については、リスクを取って革新的な新規IPを生み出していくという、同スタジオの理念を貫いていくとのことだ(VentureBeat)。

またIPを買収したParadoxのCEO Ebba Ljungerud氏は、『Prison Architect』は同社のゲームラインナップにうまくフィットするだろうと述べている。Paradoxは『Hearts of Iron』『Stellaris』『Battletech』といったストラテジー系のゲームや、『Cities: Skylines』『Surviving Mars』といったシミュレーションゲームを多く販売していることもあり、『Prison Architect』のプレイヤー層とも重なる部分があるだろう。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

Articles: 1953