『ソニックマニア』の開発元、ディズニー「ダークウィング・ダック」のゲームを制作しカプコンに売り込むも断られる
アメリカのインディースタジオHeadcannonは1月6日、ディズニーのテレビアニメ「Darkwing Duck(ダックにおまかせ ダークウィング・ダック)」をもとにしたゲームのデモを公開した。「ダークウィング・ダック」のゲームというと、カプコンが1990年代にNES(海外版ファミコン)など向けに発売しており、Headcannonは本作をカプコンに売り込むために制作したのだという。
Headcannonは、インディー開発者のStealthことSimon Thomley氏の個人スタジオで、セガの『ソニックマニア』の開発にプログラミング担当として参加していたことで知られる。今回公開した作品は、「ダークウィング・ダック」の公式コミックを手がけるAaron Sparrow氏やJames Silvani氏と共に、ファミコン版の精神的続編として昨年から取り組んでいたそうで、カプコンのもと製品化できるならば、アニメ版の声優を起用することも計画していたという。つまり、「ダークウィング・ダック」好きが高じて勝手に作ってしまったファンゲームというには、豪華すぎる顔ぶれによるプロジェクトだったわけだ。
本作は、テレビシリーズとSparrow氏による公式コミック「The Duck Knight Returns」の間の物語を描く予定だったそうで、そのゲームプレイはファミコン版をもとに発展させたものとなっている。当時を彷彿させるドット絵グラフィックを採用し、主人公ダークウィング・ダックのアニメーションはオリジナルに忠実だ。敵を倒しつつ、ステージのハザードを避けながら進むジャンプアクションゲームで、愛用のガス銃で攻撃する点も同じ。ただし、ガス銃にはゲージが設けられており、撃ち続けるとクールダウンが必要になる。また、新たなアクションとしてグラップリングフックがあり、足場に引っ掛けて高所に飛ぶなど、よりダイナミックなアクションが可能となっている。
Headcannonは、このデモをもってカプコンにアプローチしたが、同社は興味を示すことはなかったそうで、残念ながら正式な開発に進むことなくプロジェクトは終了となってしまった。カプコンのディズニーゲームというと、同じく1990年代にNES向けに発売された『DuckTales』をリマスターした『DuckTales: Remastered』を2013年に発売し、累計120万本を売り上げるヒットとなっている。Headcannonとしては、同作の成功に後押しされて「ダークウィング・ダック」ゲームに臨んだ面があったのかもしれない。
同スタジオは過去には、モバイル向け『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』を制作しセガに提案したことがあり、この時は見事正式リリースにこぎつけている。そして、これがきっかけで同じくモバイル向けの『ソニック・ザ・ヘッジホッグ 2』、そして『ソニックマニア』への開発参加に結びついた。一方で、ニンテンドーDS版『ソニック・ザ・ヘッジホッグCD』など、今回と同じくボツになった案件もある。Headcannonは、そうした作品はポートフォリオとして公開しており、今回の「ダークウィング・ダック」のデモ版も無料配布している。対応プラットフォームはWindows/Mac/Linux。興味のある方はプレイしてみてはいかがだろうか。