Nintendo SwitchのJoy-Conをワイヤレスで充電できる「Wireless Charging Grips」発表。規定範囲内ならどこに置いていても自動的に充電

アメリカPowercast社は12月26日、Nintendo Switch向け周辺機器「Wireless Charging Grips」を発表した。グリップにはJoy-Conに給電するためのバッテリーが内蔵されており、さらにバッテリーの充電をワイヤレスでおこなうことが特徴。

アメリカPowercast社は12月26日、Nintendo Switch向け周辺機器「Wireless Charging Grips」を発表した。これはJoy-Conを装着して持ちやすいグリップ型コントローラーとして使用できる製品で、左右のJoy-Conを装着するタイプと、片方のJoy-Conを横に向けて装着するタイプの2種類がセットになっている。これらのグリップにはJoy-Conに給電するためのバッテリーが内蔵されており、さらにバッテリーの充電をワイヤレスでおこなうことが大きな特徴だ。Powercastは、ケーブルや充電マットの不要な無線充電を採用するゲーム用周辺機器としては、世界初の製品であるとしている。

Powercast社は2003年に設立されたベンチャー企業で、RF(無線周波数)エネルギーを用いたワイヤレス充電技術に特化したメーカーのひとつとして知られている。すでに実用化しており、開発キットを提供しているほか、「PowerSpot」と呼ばれる送信機も製品化している。掲載した写真の奥に置かれている四角い箱がそのPowerSpotだ。サイズは185.4 x 53.3 x 35.6 mmとのことなので、Nintendo Switchドックの高さを半分にしたくらいのイメージである。今回発表されたWireless Charging Gripsには受信機であるPowerharvesterチップが搭載されており、このPowerSpotから電力の供給を受ける形で使用する。

ワイヤレス充電というと、スマホなどで利用されているQi(チー)のように充電パッドに置いて使用するタイプがよく知られているが、Wireless Charging Gripsでは、PowerSpotから最大2フィート(約60cm)離れていても充電可能。その範囲内であればどこに置いていても良いし、充電しながらゲームをプレイすることもできる。前述したように、Wireless Charging Gripsにはバッテリーが内蔵されており、これを経由してJoy-Conを充電する形であるため範囲外に出てもゲームプレイには支障はない。内蔵バッテリーは、フル充電で約38時間ゲームをプレイできるだけの容量があるとのこと。そして残量が少なくなるとBLE(Bluetooth Low Energy)にてPowerSpotへ給電を要求し、ワイヤレス充電が自動的に開始される。

開発元Powercastによると、社員の多くがNintendo Switchユーザーで、よくJoy-Conの充電を忘れてバッテリー切れを起こしていたという。そこで、自社のワイヤレス充電の技術を活用できるのではと閃き、Wireless Charging Gripsを開発したとのこと。送信機であるPowerSpotはFCCおよびISEDの認可を得ており、アメリカとカナダでの使用は認められている。無線機器であるため、それぞれの国の監督機関の承認が必要なのだ。

Powercastは、今後ヨーロッパやアジア地域にも展開したいと意欲を見せている。また、2019年1月9日からアメリカで開催される家電見本市CESにて、Wireless Charging Gripsを出展する予定であるため、日本からの引き合いがあれば国内発売も検討されるかもしれない。Wireless Charging Gripsは、北米では2019年第3四半期発売予定となっている。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

記事本文: 6890