姿を消した娘を探す一人称ホラー『Wounded』発売日2月28日に決定。Kickstarterキャンペーンの失敗にもめげずに開発を続行した作品

一人称視点ホラー『Wounded』が2019年2月28日に発売される。姿を消した娘を探すために悪夢のような世界を旅する、マケドニアの小規模スタジオWorkbench Entertainmentの作品だ。KickstarterやIndiegogoでのクラウドファンディング失敗を乗り越えて開発を継続したパッションプロジェクトである。

マケドニア共和国のゲームスタジオWorkbench Entertainmentは12月25日、『Wounded』を2019年2月28日にリリースすることを発表した。対応プラットフォームはPC(Steam)。同時に公式トレイラーも公開されている。『Wounded』は一人称視点のホラーゲーム。見知らぬ土地で目を覚ました主人公ティムは、一緒にいたはずの娘リサが姿を消していることに気づく。愛する娘を見つけ出すため、恐怖に満ちた世界を旅するのだ。

彼は悪夢のような世界を歩み進む中で、暗所恐怖症・閉所恐怖症・孤独恐怖症・決断恐怖症といった深い恐怖を体験しながら、この世界に隠された暗い秘密を解き明かしていく。自身の恐怖を乗り越え、知恵と強固な意志を頼りに娘を探し出すティム。はたしてその旅路の最後に待っているのは娘との再会なのか、あるいは彼自身の死なのか。

プレイヤーは激しいアクションではなく、あくまでも知恵や判断能力を使って先へと進んでいくことになる。周囲を観察しつつ、ステルス行動により敵を避けたり、この世界の謎を解く手がかりを集め、パズルを解いていくのだ。ホラー要素としては、急な演出でプレイヤーを驚かせるジャンプスケアだけでなく、パラノイアや未知なるものへの恐れの気持ちを呼び覚ますようなプレイ体験を目指しているとのことだ。また上の動画にもちらりと映っているように、具体的な、差し迫った脅威とも対峙することになる。いつ事態が悪化するかわからない不安定な環境にて、生と死を分ける選択に迫られる。

本作は2016年にKickstarterとIndiegogoにてクラウドファンディングキャンペーンを実施したが、どちらも初期目標額の10%にも満たないまま失敗に終わった。しなしながら開発者を応援するコミュニティからの声を励みに、資金無しのまま開発を継続することを決意。今ではクラウドファンディングキャンペーン時に公開したデモ版から大きく変わった作品になっているという。開発者のパッションプロジェクトと呼べる『Wounded』。発売日は2019年2月28日だ。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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