サバイバルホラー『Outlast(アウトラスト)』を「目隠し状態」で10分台でクリアするプレイヤー現る

『Outlast(アウトラスト)』を目隠ししたままクリアするプレイヤーが現れた。本作のスピードランを行なっているAcroh氏が目隠し有り・グリッチ有りの条件でクリア時間10分台を記録。なお『アウトラスト』の目隠しスピードランでは、昨年SFCPudding氏が目隠し有り・グリッチ無しの記録に挑戦している。

サバイバルホラーゲームの中には『バイオハザード』シリーズのようにスピードランが盛んな作品が多く、2013年に発売された『Outlast(アウトラスト)』も例外ではない。グリッチ有り、グリッチ無し、ニッチなものでは片手スピードランまでカテゴリとして存在している。同作は発売から5年が経過しており、スピードランナーたちの技も熟練の域に達している。そんな中、自身の腕を試すがごとく、目隠しをしたまま最速クリアを目指すという、目隠しスピードランに挑戦する強者が現れた。

この記録に挑戦したのは、同作のスピードランナーとして活動しているAcroh氏。PC版『アウトラスト』の目隠しスピードラン(グリッチ有り)にて、驚異の1024秒を叩き出している(ロード時間を除いた時間)。目隠しをしない通常のグリッチ有り(Any%)のベストタイムはHorrorDoesSpeedRuns氏の97秒。今回目隠しスピードランに挑戦したAcroh氏の個人ベストは、speedrun.com919秒として記録されている。個人ベストからわずか15秒の上乗せで目隠しランを完遂させたのだ。

『アウトラスト』はジャーナリストである主人公が、大手企業が運営する精神病院を取材するため施設内に侵入。凶暴化した患者たちが溢れる人里離れた精神病院にて、何が行われていたのか突き止めるため、ビデオカメラの暗視機能を頼りに暗闇の中を歩み進んで行く。本作にはゲーム序盤から一気に最終ステージまでスキップできる地面すり抜けグリッチが存在し、今回目隠しスピードランに挑戦したAcroh氏もこのグリッチを活用している。

ただ序盤のグリッチによる大幅ショートカットは、繊細な動きが求められる。目隠しスピードランにおいては、この序盤のグリッチをスムーズに成功させられるかどうかが勝負となるだろう。そしてAcroh氏はグリッチにより終盤の地下研究所までショートカットしたあと、小慣れた手順でエンディングまで進めているが、もちろんこの記録を出すまでには何度も失敗を経験している。動画では途中で「死なずに先へ進めた」と喜びの言葉を漏らす一幕も確認できる。ただしジャンプのタイミングがズレたり、目隠しの位置を調整するために手を止めたりと、明確なタイムロスはある。その積み重ねが、目隠し無しの状態との1分の差を生んでいるのだろう。目隠しをした状態で、どこまで通常通りの動きを見せられるのか。極限の挑戦とも言える。

実は『アウトラスト』の目隠しスピードランというのは、speedrun.comでもカテゴリとして登録されており、1年前に別のスピードランナーSFCPudding氏が挑戦している。こちらはなんとグリッチ無しでの挑戦であり、記録されたタイムは1時間1642秒(speedrun.com)。タイムだけ見るとAcroh氏の記録ほどインパクトがないと感じるかもしれないが、グリッチを使わず、1時間以上目隠しをしたままクリアするというのは、かなりの高難度チャレンジであったことが想像できる。

SFCPudding氏は目隠し抜きの通常スピードラン(グリッチ利用無し)でもランキング5位の5111秒という好成績をおさめており、やはりPC版『アウトラスト』のスピードランナーとして手順を身体に染み込ませていたからこそ達成できた記録と言えるだろう。目隠しスピードランの際も、経験を頼りに動かしつつ、音を頼りに微調整しながら進めている。それでも個人ベストとの差は25分もあり、実際に壁やドアに引っかかったりと、かなりのタイムロスが確認できる。

グリッチ有りのAcroh氏と、グリッチ無しのSFCPudding氏。カテゴリは違えど、いずれもスピードランを極めた者たちがさらなる極みを目指す、チャレンジ精神溢れる試みである。ちなみに『アウトラスト』は年末年始のSteamウィンターセール期間中、80%オフの396円(通常価格1980円)、続編となる『Outlast 2』は75%オフの745円(通常価格2980円)で販売されている。

Ryuki Ishii
Ryuki Ishii

元・日本版AUTOMATON編集者、英語版AUTOMATON(AUTOMATON WEST)責任者(~2023年5月まで)

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