Steamで発売された爽快2Dアクション『Bladed Fury』紹介。『朧村正』の影響受ける、古代中国の史実とSFを織り交ぜた作品

中国・上海に拠点を置くインディースタジオNEXT Studioは12月18日、2Dアクションゲーム『Bladed Fury』をSteamにて発売した。Steamにて「非常に好評」の評価を獲得している本作『Bladed Fury』の魅力を紹介したい。

中国・上海に拠点を置くインディースタジオNEXT Studioは12月18日、2Dアクションゲーム『Bladed Fury』をSteamにて発売した。価格は1010円で、日本時間12月21日午前2時までは30パーセントオフの707円で購入可能となっている。なお、ゲーム内は日本語表示に対応する。中国語の表現が入り混じった、日本語としては不自然な翻訳も多く見られるが、物語やゲームシステムを理解するうえで大きな問題とはならないだろう。

『Bladed Fury』は、古代中国の神話と春秋戦国時代の史実をモチーフにした作品だ。のちに田氏代斉と呼ばれるようになった乱世の時代を描いており、舞台となる斉国は、姜氏に代わって田氏が治めることに。権臣である田和の策略により先の君主康公は亡くなり、その王姫である季姜には王殺しの濡れ衣が着せられる。姉の叔姜は囚われ、冤罪により国を追われた季姜は、自身の身の潔白を晴らし、国の仇を討つべく奔走する。

本作のゲームプレイは横スクロールで展開し、プレイヤーは主人公の季姜を操作して数々の敵と戦う。季姜は、初期装備として2本の短刀「解魄」を装備しており、序盤では身の丈ほどもある太刀「赤霄」も手に入れる。解魄は、攻撃力は低めだが隙の少ない連続攻撃が可能。ジャンプした空中からは回転しながら敵に突進する「旋舞」を繰り出せるほか、敵を地面に叩きつけたり、逆に浮かせる技もある。これらの攻撃はスムーズに繋がり、爽快なコンボを次々に叩き込むことができる。

一方の赤霄は、見た目どおりの破壊力を誇るものの振りは遅い。隙が大きいためメインで使用するというよりも、コンボの中に織り交ぜてダメージを稼ぐのが良いかもしれない。ただ、特定の敵が放つ弾や武器を弾き返せるなど、重要な役割を持つ武器でもある。また季姜は「蝉翼」と呼ばれる盾も持っており、敵の攻撃を直前でガードすることでパリイが可能だ。そのほかゲームを進める中では、巨大なバズーカ砲のような武器も入手する。本作は古代中国を舞台にしながら、SF的な要素を取り入れているのが特徴のひとつで、敵にも機械の身体を持つものが登場する。

敵キャラクターには、お尋ね者の季姜を追う兵士から、妖怪のようなモンスターまでおり、剣や槍で攻撃してくる歩兵もいれば、馬に乗る者などさまざま。ザコ敵に対しては先制攻撃で圧倒できるが、盾を持つ者や遠距離から弓矢で攻撃する者に対しては、立ち回りに工夫が求められるだろう。同じ敵でも、中には黄色く光るアーマーをまとった者もおり、赤霄での斬撃を叩き込むか、パリイを成功させてアーマーを剥がさないとほとんどダメージが通じない。敵を倒すと、体力を一定値回復できる緑色の魂と、アップグレード時に使用できる黄色の魂をドロップする。

ステージ内には灯籠のようなものが設置されている場所があり、ここでセーブと体力の全回復、そしてアップグレードが可能。旋舞のヒット数を増加させたり、パリイの直後に範囲ダメージのある攻撃を繰り出せるようにしたりなど、武器ごとや季姜自身のスキルにさまざまなアップグレードが用意されており、保有する黄色の魂の数に応じて任意にアンロック可能だ。なお、魂はステージ内に置かれた壺などを破壊することでも入手できる。本作のステージは、カラクリを動かして道を作ったり分岐することもあるため、キャラクターを強化するためには隅々まで探索して魂を回収していきたい。

ステージを進む先には、強大なボスが待ち受けている。ボスはさまざまな強力な攻撃を繰り出してくるため、予備動作により見極めて対処しよう。その中では、特定の攻撃を弾き返すことで一定時間怯ませられるなど、弱点を見つけることもできるだろう。そして見事撃破したあかつきには、季姜はその「英魂」を手に入れる。ボスはもともとは異能の人間であり、それぞれ特殊な能力を持っている。英魂を手に入れることで、バトル中にボスを召喚してその能力を使用できるようになるのだ。ただし、非常に強力なスキルであるため、使用できるのは3回まで(セーブポイントで回復可能)。クールダウンが必要で連続使用はできない。

本作では多くのカットシーンが使用されており、季姜は敵対する者、あるいは力を貸してくれる不思議な存在などと会話を重ねる。そして、当初は個人的な復讐劇であったが、この世界で何が起きているのかを次第に知るようになる。開発元NEXT Studioは、こうした中国を舞台にする史実とファンタジーを織り交ぜたアクションゲームを作ることが悲願だったという。そのユニークなビジュアルには中国の墨絵の表現を取り入れており、また鮮やかな色使いや、キャラクターの造形などには『朧村正』の影響も大きいという。武器を使い分け軽快にコンボを繋げていくゲームプレイも、同作を思い起こさせる内容である。本稿執筆時点で、Steamのユーザーレビューでは「非常に好評」となっており、16か月かけて制作した同スタジオの苦労は報われたと言えそうだ。2Dアクションゲームが好きな方はチェックしてみてはいかがだろうか。

Taijiro Yamanaka
Taijiro Yamanaka

国内外のゲームニュースを好物としています。購入するゲームとプレイできる時間のバランス感覚が悪く、積みゲーを崩しつつさらに積んでいく日々。

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